一青窈・日本武道館ライブ……2008.9.26
9月16日に行われた一青窈、初の武道館ライブを見てきました。
いわゆるアリーナ席をすべてステージにし、
円形劇場のような趣きでのコンサートとなりました。
トークの中に、印象的な話が2つ。
ひとつは「今までは亡き両親に届けと歌っていたけれど、
今は目の前にいる人に向かって歌おうとしている」と語ったこと。
もうひとつは「“忘れる”というのは人間の素敵な才能だけど、
忘れてはならない大切な“初めて”があると思う」と。
特に後者は今の社会情勢に鑑みても大切なメッセージだと思うのです。
食品偽装を始め、多くの会社社長がマスコミの前で頭を下げています。
でもこの人たちだって最初に会社を立ち上げた時は、
いい会社にしよう、人に喜ばれる企業にしようと、
目標や志がしっかりとあったはず。
最初から「人を騙していっぱい金を稼いでやろう」
なんて考える人はごくごく僅かでしょうから。
でもいつの間にか忘れてしまうんでしょうね…。
忘れちゃいけない“初めて”。
きっとこんなところにもあるんじゃないでしょうか。
「武道館で『ハナミズキ』歌う姿を一番喜んでいるのは、事務所の社長だと思う。
だから私は彼のために歌いたいと思います」と。
その視点の置き方もすごく“あり”だと思うんです。
ラジオもそう。メッセージをくれた人に向かって話すと、
同じ立ち位置にいる人たちが一斉に耳を傾ける。
対象たるひとりの向こうにみんながいるんです。
最初からみんなじゃなくて、ひとりに向かい合うからこそ伝わるものがある。
そこに気付いたら、より一層強いと思うのです。
言い方は生意気ですが、さらに一皮むけたとしたら…。
今後の一青窈の歌世界には注目です。
 
 


 
 
 拝郷メイコライブ……2008.5.6
5月6日、拝郷メイコちゃんのライブを見て来ました。
南青山マンダラ、2デイズ。チケットは完売。
というのも初日の5日は彼女にとって20代最後の日、2日目の6日は30代最初の日。
そう、バースデーライブでもあったのです。
久し振りに会ったけど、メイコちゃん、以前よりずっと若くなってた気がする(笑)。
拝郷メイコというアーティスト、日常の1コマや心象風景、
女の子ならではの恋心を、優しく柔らかい声で歌います。
その歌詞が真っ直ぐそのまま聴き手の心に届く、素敵なシンガーなんです。
読売新聞のイメージソング「どれどれのうた」も彼女です。
“お花が咲いたよ。どーれどーれ”ってやつ。
ジブリの不思議なイラストと共に覚えてる人も多いでしょう。
ライブのタイトルは『LINE』。
20代と30代の間に線を引くという意味で、一線を越るぞっと名付けたタイトルだそう。
でも“区切る”イメージが強かったこのアルファベット4文字には、
逆に誰かと誰かを“繋ぐ”という意味や、“運命”という意味もあると彼女は語ります。
こうやってひとつ言葉を選んだ時に、それが意外な広がりを持つ言葉だったなんて、
やっぱり“アーティスト運”を持つ人なんだなって思うんです。
後付けってすごく大事。広がるもの。
何かメイコちゃんの歌を聴いて、また無性に恋がしたくなりました(笑)。
GWの最後に素敵な一時をありがとう。
おそらく会場に来たみんながそう思ってるはずです。