『犬猿』☆☆☆
(満点は☆☆☆☆☆)
先日、アニメ映画を見て、その後続けて別の作品を見たのですが、
次の試写を待っていた男性が、「前は何?」と次の映画のプロモーター氏に。
「なんかアニメみたいですよ」と答えると、
「アニメか。俺はアニメなんて映画じゃねぇと思ってるんだよ」。
クソみたいな男でしょ?関係者もまだ残ってるのに。
そんなデリカシーの無い人間が映画を語ってるかと思うと、腹が立ちますよね。
大御所だか何だか知らないけど、少し考えた方がいいと思います。
さ、今週は1本です!
『犬猿』は、2組の兄弟、姉妹が織りなすヒューマン・ドラマ。
町の印刷会社で働く営業マンの和成。
父親が保証人になって作った借金を返しつつ、老後の貯えをするという堅実な青年です。
和成の地味で平凡な暮らしに変化が訪れたのは、強盗の罪で服役していた兄・卓司が刑務所から出所し、
和成のアパートに居候を決め込んでから。
凶暴でトラブルばかりの卓司は、出所後もやりたい放題。
でも、和成は何も言えず、黙っているだけでした。
一方、和成が仕事を依頼する小さな印刷所の社長が由利亜。
倒れた父の跡を継ぎ、仕事と介護をテキパキこなす女性でしたが、
小太りで美人とは言えないルックス。
そんな由利亜には巨乳で、芸能の仕事もかじっている妹の真子がいました。
普段は印刷所を手伝う真子でしたが、
さほど仕事も出来ないのに出入り業者の男性たちにチヤホヤされる。
それを見ている由利亜は面白くない。
実は、由利亜は和成に恋心を抱いていたんですね。
ところが、自分の知らない間に、和成は真子と付き合い始めていたのです。
メラメラと燃え上がる嫉妬の炎。
その間、卓司は怪しい輸入業を始め、これが大当たり。
「自分はコツコツやってて、苦しいことばかり。兄貴はなんでっ」。
和成の中にも、憎しみの気持ちが溢れ出すのでした…。
吉田恵輔監督のオリジナル脚本。
和成に窪田正孝、卓司には新井浩文。由利亜にニッチェの江上敬子、真子には筧美和子。
なんとなくイメージの湧くキャスティングでしょ(笑)。
兄弟も、姉妹も、ライバルになるところがある。
他人なら、イヤだったら切ればいいけど、血の繋がりは切れない。
だからこそやっかいな、それでいて温かい関係。
親子ともまた違った、人間関係としては、振れ幅が一番大きな存在かもしれません。
映画の中でも描かれてますが、子供の頃と大人になってからとでは、関わり方が変わってくる。
個として成長すれば、それは当たり前のことなんですけど。
この映画はそんな兄弟、姉妹の四つ巴の物語。
自分もそうですが、得てして兄は、子供のまんま成長するわがままな生き物のよう。
ちょっと心が痛みました(笑)。☆3つ。
「犬猿」公式サイト
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