週末公開の映画……2008.12.25

「ミラーズ」☆☆☆

今年はこれが最後の更新。1年間ご愛読ありがとうございました。
来年は10日公開の作品からご紹介していく予定です。
更新はその直前になるかと思います。
09年も引き続きチェックして下さいね。
さ、今週は1本です!

「ミラーズ」は、“鏡”がテーマのサスペンス・ホラー。
元刑事のベンは、同僚を誤って射殺し、罪悪感から酒に溺れ、妻子とも別居。
なんとか元の生活を取り戻そうと新しい仕事を探し、
巨大デパートの夜警の仕事に就きます。
実はこのデパート、5年前に火災を起こし、
たくさんの犠牲者を出していたのです。
法的手続きの関係でそのままの状態で保存してあり、建物の中は焼け焦げたまま。
そんな中で妖しく光輝く巨大な鏡がありました。
ベンが近付いて行くと、中からうめき声が聞こえ、
焼けただれた人の姿が映るではありませんか。
それからというもの、ベンの周りで残忍な事件が起こり始めます。
正体の判らぬ恐怖は、ベンの愛する家族にまで襲いかかっていったのです…。
鏡は東洋でも霊的現象に関わりの深いツールです。
鏡の向こうにもうひとつの世界があるんじゃなかろうか?
みんな一度は考えたことがあるはずです。
ボク昔、マネージャーをやっていて、
ある女性タレントの大きな姿見を割っちゃったことがあるんですよ。
ひとつの楽屋にたくさんのタレントさんが入っていて、
場所が無かったからドアに鏡を立て掛けてたそうなんです。
知らないからコンコンとノックして「失礼しまーす」と
ドアを押したら鏡がガッシャーン。
そのタレントさんは別の事務所の方だったんですが、
「いいの、いいの。こんなところに立て掛けてた私がいけないんだから」と。
さらにその破片が飛び散ってまた別のタレントさんの衣装箱の中に入っちゃったんです。
最悪でしょ。
それでもその方も、「大丈夫。気にしないで」と優しく笑顔で言って下さいました。
なのにボクの担当していたタレントさんは、「なぁにやってんの〜っ!!!!」。
思い出すとこの映画より怖かったかも(笑)。
まぁそこで怒らないと周りの皆さんに対し、示しがつかないですもんね。
その時、「鏡っていうのは女性にとってすごく大切な縁起物なんだから」と教わりました。
主演は大ヒットTVシリーズ「24」のキーファー・サザーランド。
「24」ファンは必見かも。☆3つ。
「ミラーズ」公式サイト

 
 


 
 
 週末公開の映画……2008.12.17

「永遠のこどもたち」☆☆☆
「GOTH」☆☆☆
「地球が静止する日」☆☆☆
「PARIS」☆☆☆
「ファニーゲームU.S.A.」☆☆
「40歳問題」☆☆☆☆

もう何年前でしょう。ボクがusenで番組をやっていた頃、
駅からスタジオに向かう途中に映画のセットがありました。
警備員が立っていて、「映画かドラマのセットですか?」と聞くと、
「ハリウッドのラーメン映画です」と。
なんのことやら?とその時は思ったのですが、
先日その映画の試写を見て来ました!
「これかっ」となんだがうれしくなっちゃいました(笑)。
タイトルは「ラーメンガール」。
公開が近付いたらまたきちんとご紹介しますねっ。
さ、今週は6本です!

「永遠のこどもたち」は、スペインの“スピリチュアル・ムービー”。
孤児院出身のラウラには、医者である夫と7歳の息子シモンがいました。
ラウラには、今は閉鎖されてしまった孤児院を買い取り、
シモン同様に障害を持つ子供たちのための施設にしたいという夢がありました。
念願叶って孤児院の跡地に引っ越したラウラたち。
しかしシモンが、いるはずのない友達の話を仕切りとするようになります。
子供の空想だろうと最初は聞き流していたラウラでしたが、
名前をトマスと呼び、だんだんシモンの話はエスカレートするばかり。
ある日のこと、ラウラはイライラからシモンを怒鳴りつけてしまいます。
どこかに走り去ってしまったシモン。
その日から、シモンの姿はどこにも見当たらなくなってしまいます。
必死に探すラウラでしたが、シモンの代わりに現われたのは、
奇妙な布を被った男の子だったのです…。
粗筋もこれだけだとちょっとわかりづらいと思いますが、
スピリチュアル・ムービーとはホラーにも似て。
あまり詳しくは語らない方がいいでしょう。
ラウラが養女としてもらって行かれた後に施設に起こった悲しい出来事が、
実は今回の事件に大きく関与しているのです。
が、それは見てのお楽しみ(笑)。☆3つ。
「永遠のこどもたち」公式サイト

「GOTH」は、乙一のベストセラー小説の映画化。
人の“死”に異様な関心を持つ男子高校生の神山樹。
同じクラスの女子生徒で、
不気味なほど物静かな森野夜も実は同じ嗜好の持ち主だと気付きます。
最近、街で多発している猟奇殺人事件に、
自分たちの感性にも似た芸術性を見出したふたりは、
自分たちでこの事件を解決しようと捜査に乗り出します。
マニアだけが集まるという喫茶店で拾った一冊の手帳。
そこには事件に繋がる驚くべき記述があったのです…。
ひと昔前なら気味の悪い映画だなぁと思ったのでしょうが、
猟奇殺人が日常でもこれだけ多く現実のものとして起こっていると、
スクリーンの中が異世界だと思えなくなるのが逆に怖いかも。
原作は100万部を突破しているそう。
その人たちの興味が“死”じゃないことを祈るばかりです。☆3つ。
「GOTH」公式サイト

「地球が静止する日」は、キアヌ・リーブス主演作。
こちらは19日金曜日公開です。
地球外生物学者のヘレン。
ある日突然、彼女の家に政府の人間がやってきて、
有無を言わさずヘレンを連行していくんですね。
理由を聞いても「非常事態なんです」としか教えてもらえません。
NASAの研究室に着くと、
そこにはあらゆるジャンルのトップの科学者が集められていて、
驚愕の事実を知らされます。
謎の物体が驚くべきスピードで地球に近付いて来ていて、
このままだと衝突は避けられず、地球はすべてが灰になるというのです。
あまりの速さゆえ、ミサイルで撃ち落とすこともできず、
衝突までに残された時間は78分。
そして遂にその時が。誰もが覚悟したその瞬間、
何故かその物体は減速をし、衝突ではなく、地球に着陸したのです。
目も眩むような光を放つ球体から、生命体が現れ、
握手をするかのように手を差し出します。
ところが動揺した兵士が、その生命体に向けて発砲してしまうんですね。
倒れ込んだ生命体を研究室に運び、傷付いた身体を治療するのですが、
様々な分析を加えれば加えるほど、
その生命体の発達した知能や能力がわかってきます。
「私たちの星に何の目的でやって来たの?」。
「君たちの星?地球を救いに来た」。
「私たちを助ける?」。
「いや、君たち人類から地球を助けに来たんだ」…。
試写が行われたのは16日火曜日。マスコミ試写はこれ1回。
このパターンって、話題先行で実はつまんないって作品が多いんですョ。
たぶん「今イチだ」って風評が出回る前に
公開に持ち込みたいんじゃないかなって(笑)。
でもこの作品はまずまずだったと思います。
確かに地球は悲鳴を上げているでしょう。
CO2排出規制に消極的なアメリカで多くの人に見られて、
環境への声が高まって、政治をも動かすといいのに。
以前チラッと話した「ザ・ムーン」という映画と一緒に見るといいかも。
逆に来て叱って欲しいと思いません?☆3つ。
「地球が静止する日」公式サイト

「PARIS」は、フランス映画。
これまで様々な映画の舞台として描かれて来たパリ。
世界中の憧れの街パリの、今の現実の姿を描いたのがこの映画。
登場人物はたくさんいて、
心臓病でムーラン・ルージュのダンサーを辞めたピエール。
そのピエールの姉で、
3人の子供を抱えながら働くシングルマザーのエリーズ。
ピエールの向かいのアパルトマンに住む美人女子大生のレティシア。
そのレティシアに恋する歴史学教授のロラン。
ロランの弟で建築家のフィリップ。
エリーズが買い物に出掛ける市場で働く元夫婦のジャンとカロリーヌ…。
他にもたくさんの人が出てくるのですが、
まったく関係が無いようでいて、
みんなこのパリという街で不思議と繋がっていたのです…。
そんなストーリーの妙に、不法移民問題など
フランスの今が抱える問題もちりばめつつ見せるという作品。
自国の動員はさすがにすごかったようで、大ヒットになったそう。
決して明るい作風じゃないけれど、
そんな中にも見出だせる何かがあるということなんでしょうね。
個人主義の国フランス、その首都パリ。
“フランス好き”や“パリ通”ならすごくよくわかるのかも。
でも“暗さ”もなんだかオシャレに描かれてたところがさすがパリって感じかな(笑)。
☆3つ。
「PARIS」公式サイト

「ファニーゲームU.S.A.」は、
ミヒャエル・ハネケ監督が97年に発表した「ファニーゲーム」の、
監督自身による完全リメイク作品。
ジョージとアンの夫婦に、息子のジョージー。
この3人が夏のバカンスにと訪れた湖の別荘。
すると2人の若い男性が訪ねてきます。
ひとりが中に入って来て、隣りの別荘のイブの使いで来たのだけれど、
卵を分けてもらえないかと。
アンは快く渡すのですが、玄関で若者はその卵をすべて落としてしまいます。
「気にしないで」とアンが割れた卵を掃除していると、
再び卵を欲しいと言うのです。
渋々卵を冷蔵庫から出そうとした時、キッチンにまで入り込んで来た男が、
今度はアンの携帯を流しの中に落としてしまうんですね。
イライラしながら卵を渡し、なんとか男を外に出すのですが、
庭で飼い犬のラッキーが異様に吠えている。
そこへ夫と息子と2人の若者がまた戻ってくるのです。
犬に吠えられて卵を落としてしまったからまた欲しいと。
いい加減にしてと怒るアンに、状況がわからない夫はアンを責めます。
懸命に説明をするアン。
しかし、もうその時点で恐怖のゲームは始まっていたのでした…。
不条理、不愉快、神経を逆撫でするイヤ〜な映画でした。
タイトル通り“ゲーム”として見ればいいんでしょうけど。
ボクは生理的に受け付けませんでした。
仕掛けもあって、高い評価を受けるのも納得なんですが、
まぁ好き嫌いで評価を付けてますから。☆2つ。
「ファニーゲームU.S.A.」公式サイト

「40歳問題」は、3人の40代ミュージシャンの
コラボレーションを追った音楽ドキュメンタリー。
フライング・キッズのボーカル浜崎貴司、43歳。
真心ブラザーズの桜井秀俊、40歳。
モンドグロッソの大沢伸一、41歳。
音楽性もまったく違うこの3人がスタジオに入れられ、
何の打ち合わせもないままに、
「3人で曲を作って下さい」と言われるところから映画はスタートします。
ぎこちなく始まるディスカッション。
浜崎の書く詞に曲を付ける桜井。
どこか冷めたアプローチの大沢。
どうやら大沢が気乗りがしないようなんですね。
そしてカメラに向かってこう言いいます。
「映画のための企画とはいえ、あまりに乱暴でしょ?
正直、浜崎さんの歌だってボクにはピンと来ないし」。
前途多難なんてもんじゃない。果たしてこの3人で曲は作れるのでしょうか…。
パッと聞くと暴言とも取れそうな大沢伸一の言葉ですが、
そこにはプロのクリエーターとしてのプライドがある。
それは残る2人もそう。
生い立ちや私生活、音楽を離れた時の素顔などを織り混ぜつつ、
映画は進んで行きます。
浜崎貴司が言うんですよ。
「これで俺が“辞めたっ”って言ったらこの話は終わっちゃうよ。
でもさ、桜井くんがありがたいことに接着剤の役割を演じてくれてるんだよ」と。
でも浜崎さん、あなた昔だったらもうとっくにブチ切れて、
「ざけんなよっ」って出て行ってるでしょ?
桜井さんがいい接着剤の役回りをしてくれてるのは確かだけど、
その接着剤を塗る面を、ちゃんと出してあげてるじゃないですか。
単に丸くなったんじゃない。
大人になるってこういうことなんじゃないかな。
浜崎さん、ナイスです!
映画の中にはその他にも、
40代やもうすぐ40代の著名人がたくさん出てきて、
それぞれに自身の40代を語ります。
例えば、リリー・フランキー、新田恵利、小川直也、スチャダラパーなどなど。
音楽だけじゃなく、人生も考えさせられます。
“アラフォー”のみならず、
幅広い世代に是非見てもらいたい1本です。☆4つ。
「40歳問題」公式サイト

 
 


 
 
 週末公開の映画……2008.12.11

「TOKYO JOE マフィアを売った男」☆☆☆
「ブロークン・イングリッシュ」☆☆☆

今年の試写本数は例年と比べるとやはり少々少ないようです。
160本に届くかどうかといったところ。
なんとか時間を見つけて足は運んでいるのですが、
1日はやはり平等に24時間ですからね。
最近もタイミングが合わず、
「ワールド・オブ・ライズ」の試写を見ることができませんでした。残念…。
ボクがここに書かない映画は見ていないということですから、
逆にお勧めのものがあったら教えて下さいね。
さ、今週は2本です!

「TOKYO JOE マフィアを売った男」は、ドキュメンタリー。
1919年、カリフォルニア生まれの日系2世、ケン・エトー。
彼こそが「東京ジョー」と呼ばれたシカゴ暗黒街のマフィアの大幹部。
他のボスたちにさえ恐れられていた彼が、FBIに捕まったのが83年のこと。
容疑は“違法賭博開帳容疑”。
ところがマフィアの幹部たちは自分の悪事をしゃべられては困ると、
殺し屋を送り、エトーの口封じを計るんですね。
至近距離から後頭部に3発の銃弾を受けたエトーでしたが、
奇跡的に一命を取りとめます。
組織に裏切られたエトーは、報復を誓いFBIに寝返るのです…。
精神を病んだ母、あまりに厳格な父。
そんな厳しい環境から飛び出したのが14歳の時。
そこから無類の博打好きになっていったといいます。
彼がFBIに協力するようになって出て来た逮捕者は、
組織の人間のみならず、警官、判事、裁判官、州知事などなど。
シカゴという街が、いかにマフィアとの癒着が深いか。
そのすべてが明るみに出たのです。
実はこの映画は日本映画。
ケン・エトーなる人物を知らないだけに、
主人公にどこまで入れ込めるかというと少々疑問ですが、
取材の緻密さはさすが日本といった感じです。☆3つ。
「TOKYO JOE マフィアを売った男」公式サイト

「ブロークン・イングリッシュ」は、大人の恋愛映画。
マンハッタンのホテルで働くノラは30代の独身女性。
結婚願望はあれど、素晴らしい出会いはなし。
宿泊客の映画俳優には言葉巧みに遊ばれ、
母に紹介された男性とのデートには元彼女が現れ
「実はまだ彼女に未練がある」と立ち去られてしまいます。
夢も希望もない、そんなある日のこと。
同僚の開いたホームパーティで、フランス人男性と出会うんですね。
彼の名はジュリアン。
最初は積極的な態度に引き気味のノラでしたが、
次第にそんなジュリアンに惹かれていきます。
ところが仕事でNYに来ていたジュリアンは、
もうパリに帰らなくてはいけません。
「一緒に来ないか」と誘うジュリアン。
しかしノラには、その言葉に首を縦に振る勇気がなかったのです…。
なかなか良縁に出会えないノラに、お母さんが言います。
「女性の社会進出は素晴らしいことだと思うわ。
でもその分、男性の選択肢が増え過ぎたのは不幸なことよ」。
確かに。
いろんな異性を見て、線引きというか相手選びの基準が高くなれば、
それだけ“イイ男”への競争率は高くなる。
ゲットできなければ基準を下げるかといえばそうじゃないから、
女性は結婚をせず、男性は嫁をもらえず。
わかりやすい構図ですよね。日本だけじゃないんだなぁ。
世界共通なんと知りました。
きっと主人公と同じ、女性のほうがピンと来るタイプの映画だと思います。
男性にとっても勉強になる1本ですョ。☆3つ。
「ブロークン・イングリッシュ」公式サイト

 
 


 
 
 週末公開の映画……2008.12.4

「ウォーリー」☆☆☆☆
「シャイン・ア・ライト」☆☆☆☆☆
「252/生存者あり」☆☆☆

ある試写会場でのこと。それは劇場で行われた試写だったので飲食もOK。
するとひとりの女性が、片手にビール、片手にポップコーンでやってきました。
大きな劇場の2階席を選んだせいか、
席の両側に空きがあるぐらいの余裕があったのですが、
常識のある女性のようで、比較的静かなトーンの映画の間、
ポップコーンを食べる音は一切聞こえてきませんでした。
ところが映画終盤で感動したのでしょう。仕切りに鼻をすする音が聞こえてきます。
ゆったりとした席で、大きなスクリーンで映画を見て、
ビールを飲んで、感動して涙する。
プチ・ゴージャスですよねぇ(笑)。
超の付く人気作以外は映画館もそう混んでないはず。
ひとり感動に涙して、感情を解放してあげるのもいいかもしれませんョ。
さ、今週は3本です!

「ウォーリー」は、話題のディズニー・アニメ。
こちらは12月5日金曜日の公開です。
29世紀の地球。そこは荒れ果てた星。
空はスモッグに覆われ、もはや人間の存在は皆無。
地上はゴミの山に埋め尽くされ、生物もほとんどいなくなっていたのです。
そんな地球で、せっせと働く1台のロボットがいました。彼の名はウォーリー。
彼の任務はゴミをキューブ型に圧縮して積み重ねる地球の清掃。
これまでなんと700年!太陽電池で動くウォーリーは働き続けました。
すると不思議なことに、いつの間にかウォーリーには感情が芽生えていたのです。
スクラップの中から拾う“お宝”。
ウォーリーのお気に入りは古い1本の映画のビデオでした。
映っているのは手を繋ぎ踊る男女の楽しそうな姿。
ウォーリーは思います。「誰かと手を繋いでみたい…」。
そんなある日のこと、巨大な宇宙船がやってきて、
中から真っ白に輝くロボットが現われます。彼女の名はイヴ。
ウォーリーは一目でイヴに惚れてしまったのです…。
いわゆるイヴはツンデレの女の子。
というかある任務のために地球に下ろされたので、
ウォーリーのことなど構っていられなかったのですが、
ウォーリーにしてみたら千載一遇のチャンス!
あれやこれやと尽くす健気な姿に自分を見るようで泣けてきちゃいました(笑)。
よくできてます。ウォーリーもハイテク・ロボットですが、
イヴはさらに上を行ってるから、まぁローテクとハイテクの恋。
すなわち育った環境が違うふたりの、本当ならば悲恋のパターンが、
果たしてどんな結末を迎えるのか?そちらは見てのお楽しみ!
あ、意外と見た目よりイヴは性格かわいいっす(笑)。☆4つ。
「ウォーリー」公式サイト

「シャイン・ア・ライト」は、マーティン・スコセッシが監督した、
ザ・ローリング・ストーンズの映画。
1962年、ロンドンで結成されたザ・ローリング・ストーンズ。
アメリカのブルースやR&Bの要素を色濃く取り入れた彼らのサウンドは
“不良の音楽”と呼ばれていたのですが、
逆にそれが世界中のファンを魅了し、45年以上経った今も、
ロック界の頂点に君臨しているのです。
メンバーは、ミック・ジャガー(Vo・1943年生)、
キース・リチャーズ(G・1943年生)、
ロニー・ウッド(G・1947年生)、
チャーリー・ワッツ(Dr・1941年生)の4人組。
そう、みんな60歳オーバー!
スコセッシ監督も1942年生でメンバーとは同世代。
自身の作品にストーンズの曲を何度も使うほどのファンだそう。
そんな監督が選んだ手法は、極力インタビューを入れないライブ映像。
そして選んだ舞台は、NYにあるビーコンシアター。
いつもは何万人もの前でパフォーマンスを見せるストーンズですが、
ここはキャパシティー2800人の、彼らにしたら小さな箱。
そこに投入したカメラは18台!
すべて超の付く一流のカメラマンを配置し、演奏する側も見ている側も、
撮影を意識しないようなやり方でという約束の中、映画の撮影はスタートします。
06年10月29日、クリントン元大統領の開演宣言と共に、
熱狂のステージの幕は切って落とされたのです…。
ライブは11月1日にも行われたのですが、ゲストも豪華で、
デトロイトの姉弟デュオ、ザ・ホワイト・ストライプスのジャック・ホワイト。
伝説のブルースマン、バディ・ガイ。
そして歌姫、クリスティーナ・アギレラが登場。
ミックとクリスティーナの絡みはメチャメチャ格好良かったです!
その一方でスタッフは大わらわ!
何故かと言えば、実はセットリスト(演目表)が
開演30分前になっても出て来なかったから。
せめてオープニング曲だけでもと言ったところで届かない。
ミックのイタズラ心なのか、それともこれがストーンズのやり方なのでしょうか。
慌てるスタッフの姿にも注目です。
この映画を見て思ったんですが、
例えばギターを持つキースの二の腕は、もうしわしわなんですね。
でも人間の体が着ぐるみで、背中のジッパーを下ろしたら中に芯棒があるとしたら、
ストーンズの4人の芯棒はビッカビカに光ってると思うんですね。
逆に、若い人たちの中には、着ぐるみは派手でも中の芯棒はすでに錆ついちゃってる、
なんて人も多いんじゃないかなって。
あなたはどうですか?
なんか年齢を言い訳にしちゃいけないなって、ものすごく勇気をもらった気がします!
最高の映画でした。是非見てみて下さい。もちろん満点の☆5つです!
「シャイン・ア・ライト」公式サイト

「252/生存者あり」は、ハイパーレスキューの物語。
環境の変化と大地震による海底の地殻変動で、
東京に史上最大規模の巨大台風がやって来ます。
銀座の街に巨大なひょうが降る。人々は血まみれになって逃げ惑います。
さらに東京湾に高潮が発生。
ビルや橋をなぎ倒しながら、海水が都心にまで押し寄せて来たのです。
元ハイパーレスキュー隊員で、今は車の販売員をやっている裕司は、
娘しおりの誕生日を祝う約束で、
その日、妻の由美と共に銀座で待ち合わせをしていました。
ところが急に発生したこの大惨事。
由美はパニックになった人々の中で、しおりと離れ離れになってしまうんですね。
実はしおりは耳が聞こえないのです。
妻からのSOSを電話で聞いた裕司でしたが、新橋駅に辿り着くのがやっと。
ふたりがどこにいるかなど、わかろうはずもありません。
するとホームに怯えてしゃがみ込むしおりの姿が。
助けに行こうとしたその時でした。
トンネルの向こうから鉄砲水が流れて来て、すべてを飲み込んでいったのです…。
舞台が銀座、新橋で、セットが忠実だから、なんだがリアリティがすごくて。
うちのマンションも下の方は海水にやられてました。
うちの階は大丈夫かなぁ(笑)。
寸手のところでドアの中に入った5人。
裕司、しおり、関西の中小企業の社長、韓国人ホステス、医療に絶望感を持つ医大生。
彼らが入ったのは今は使われていない旧新橋駅でした。
でもそこだっていつ崩落するかわからない。
そうは言っても下手に動くよりはレスキューを待った方がいい。
だがどうやって知らせるのか。
それは配管を叩くことでした。2回、5回、2回。
それが“生存者あり”のサインなんです。
不協和音は出る、新たな危機は迫る。それでも誰も死なせないと誓う裕司。
果たしてみんなの運命は?
近い将来あり得ない話ではないですからね。
防災意識を高める意味でも見ておくといいかも。☆3つ。
「252/生存者あり」公式サイト

 
 


 
 
 週末公開の映画……2008.11.28

「青い鳥」☆☆☆☆☆
「ソウ5」☆☆☆
「猫ラーメン大将」☆☆
「変態“ピ”エロ」☆
「蘇る玉虫厨子」☆☆

先日、知人宅でTVの映画番組を見てました。
「あれ?これ昔見たかなぁ」とその人。
すると奥さんが、「何言ってるの、もう5回は見てるわよ」。
印象的なシーンになると、「あ、思い出した!で、このあとは…どうなるんだっけ…」。
するとまた奥さんが、「あなたはいいわね。同じ映画で何度も楽しめて」。
爆笑でした(笑)。でもボクもこれだけ見てると意外と覚えてないんですよねf^_^;。
忘れちゃうってことはそれだけ印象が薄いということ。
良くも悪くも記憶に残らないのは、やっぱりダメですよね。
さ、今週は“☆5つ”もありますョ。今週は5本です!

「青い鳥」は、重松清の連作短篇集の、表題作の映画化。
一見、普通の学校に見える東ケ丘中学。
新学期を迎えた今日、生徒たちは笑顔で登校してきます。
しかし、実は前の学期に、イジメが原因でひとりの生徒が自殺未遂を起こしていたのです。
彼の遺書には3人の実名が書いてあり、事件を嗅ぎ付けたマスコミが、
実名こそ明かさなかったもののニュースとして取り上げ、担任は心労でダウン。
クラス中がその3人とは誰なのかを詮索し、学校側は火消しに躍起。
クラスの生徒全員に反省文を書かせ、生徒指導を強化するとアピールし、
内外の批判をかわそうとしていたのです。
自殺未遂を起こしたのは2年1組の野口くん。
家がコンビニエンスストアを営んでおり、あだ名は“コンビニくん”。
店のお菓子などを持って来いと言われ、悩んでいたといいます。
一命は取り留めたものの、野口くんは転校。店も閉まりました。
そんな東ケ丘中学2年1組にひとりの臨時教師がやってきます。
彼の名は村内先生。
自己紹介を聞いて生徒は一瞬黙ります。
なぜなら村内先生は極度の吃音(きつおん)だったから。
うまくしゃべることのできない先生の挨拶を聞いて、沈黙は笑いに変わります。
すると村内先生は、たどたどしくも、しっかり生徒たちを見据えてこう言ったのです。
「わ、忘れるなんて、ひ、ひきようだな」。
そして倉庫にしまっておいた野口くんの机を元の位置に戻させて、
毎朝出席を取る時にこう言うのです。
「野口くん。おはよう」…。
村内先生の行動には生徒や他の教師だけでなく、PTAからも批判が噴出します。
「もう十分に反省したじゃないか」。果たして本当にそうなのか?
物語は遺書に自分の名前があったのではと怯えながら毎日を過ごす
園部くんという男の子もクローズアップしながら進みます。
村内先生はうまくしゃべれないから、本気でものを伝えようとする。
本気を本気で受け止める姿勢を生徒にきちんと学んで欲しいと、
妥協せず、静かに、しかし真正面から闘い続けるんですね。
でも村内先生は臨時教師。学校を去る日が来ます。
きっと教育の現場って、そう綺麗ごとじゃ済まないんだって、
実際の先生方は言うかもしれません。
でも村内先生のような先生にいて欲しいと思う生徒はたくさんいるんじゃないかと思います。
この村内先生の“志”は、教育だけでなく、あらゆる人生の場面に共通するもの。
是非多くの人に見てもらいたい1本です。
ちなみに冒頭からまるでエンドロールで流れるかのようにフルコーラスかかるのが、
女性シンガーソングライター・まきちゃんぐの「鋼の心」という曲。
これがまた素晴らしくいいんです。曲の方にもどうぞ耳を傾けてみて下さい。
満点☆5つです!
「青い鳥」公式サイト

「ソウ5」は、人気シリーズの第5弾。28日金曜日公開です。
04年の第1作目から大ヒットとなった「ソウ」は、
謎の男性ジグソウの仕掛けたパズルのような戦慄の殺人ゲームで
人々に絶望的恐怖を与えてきました。
それでも彼の仕掛けにはほんのわずかながら救いの道もあったのです。
「本当の良心があれば助かったのに」。
そんな余地を残すこと。それがジグソウの殺人美学だったのです。
そのジグソウと弟子のアマンダが死んで、物語は終わったかに思われたのですが、
実はジグソウの遺志を継いだ男がいたのでした…。
詳しくは書きませんが、この「ソウ5」では、その男と、
男を捕らえようとする刑事のチェイスが繰り広げられ、
同時に男とジグソウのエピソードが語られます。
その一方で新たなゲームの餌食が5人。
命を懸けた謎解きにもがきあがく様が描かれていきます。
このシリーズには、思いも寄らない結末が待っているのが常。
今回もエエッというラストがあなたを待っています。痛っ(笑)。☆3つ。
「ソウ5」公式サイト

「猫ラーメン大将」は、そにしけんじの4コマ漫画の映画化。
コマーシャルなどでかわいいと大人気のキャットアイドルの将軍。
その息子が大将。
将軍は大将を自分の跡を継ぐキャットアイドルに育てようとスパルタ教育を施すのですが、
なかなかモノになりません。
嫌気が差した大将は将軍の元を飛び出し、
別の仕事で父を見返してやろうと張り切るのですが、
寿司屋をやればつまみ食い、
タクシーの運転手になれば見つけたネズミを追い掛けて事故を起こす始末。
何をやってもダメだと川に身を投げようとしたその時、
ひとりのラーメン屋の主人が熱いラーメンを食べさせてくれるんですね。
「これだ!」と大将は猛特訓。
遂に自分のお店を出すのですが、
来るのは「猫のラーメン屋?」と珍しがる冷やかしの客ばかり。
そんなある日、大将の店の近くに同じく猫が経営するラーメン屋が開店します。
味もパフォーマンスも大将よりずっと上。
なんとその店の主人は、父・将軍だったのです…。
大将や将軍は特製のパペットが微妙な動きで演技をします。
このB級感がいい人にはいいんだろうけど(笑)。
いろんな場面で、そこおかしいだろって突っ込みを入れられないのがこの映画(笑)。
原作や出演者のファンには楽しいかも。☆2つ。
「猫ラーメン大将」公式サイト

「変態“ピ”エロ」は、フランス映画。
07年のカンヌ映画祭“批評家週間”のオープニング作品。
ピエールはTVの前説を生業とする男。
公開収録に集まったお客さんのテンションを上げるため、
自らがハイテンションになって笑いを取るのですが、
ひとりになれば極度の不眠症に悩む男だったのです。
ある日、ピエールは突然スキンヘッドになり、
幼い頃から大ファンだった国民的歌手のクロヴィス・コスタを誘拐するんですね。
自分の住まいにクロヴィスを監禁したピエール。
ふたりの終わりの見えないやり取りはここから始まるのでした…。
えっと、正直まったくわかりませんでした。
チラシには「かつてこれほどまでに理不尽かつ不可解を極め、
さらには、人間の生理を容赦なく逆撫でした映画があっただろうか…?」
とあるんですが、それってもしそうだとしたら、
ある意味逆説的“褒め言葉”だと思うんですね。
期待して行っちゃっただけに、う〜ん。ごめんなさい、☆1つ。
「変態“ピ”エロ」公式サイト

「蘇る玉虫厨子」は、ドキュメンタリー。
法隆寺の国宝『玉虫厨子(たまむしのずし)』を現代に蘇らせようと、
設計師、宮大工、蒔絵師、塗師、金具師など、
さまざまな職人たちが集まり、最高の技術を駆使して
『玉虫厨子』を作り上げる様を追った映画です。
「1400年前にこんな道具は無かったはず。
 職人たちはどうやってここを作ったのだろう…」と、
飛鳥の時代に思いを馳せる一流職人たち。 歴史の教科書を開いている学生時代の自分を思い浮かべながら見てました(笑)。☆2つ。
「蘇る玉虫厨子」公式サイト

 
 


 
 
 週末公開の映画……2008.11.19

「ザ・フー:アメイジング・ジャーニー」☆☆☆☆
「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」☆☆☆
「バンク・ジョブ」☆☆☆
「ブラインドネス」☆☆☆

“超”の付く多忙な時期を抜けて、
これから年末まではたくさんの映画が見られるかなと思いましたが、
やっぱりなかなかそうはさせてもらえないようf^_^;。
朝10時の回に行けるといいんだけど、そこは眠気に勝てないんですョ…(笑)。
ダメですねぇ。
さ、今週は4本です!

「ザ・フー:アメイジング・ジャーニー」は、
イギリスのベテランバンド、ザ・フーのドキュメンタリー映画。
1964年デビュー、ロンドン出身の4人組、ザ・フー。
メンバーはVo.ロジャー・ダルトリー、G.ピート・タウンゼント、
Ba.ジョン・エントウィッスル、Dr.キース・ムーン。
町の不良だったロジャーが音楽に目覚め、ザ・デトゥアーズというバンドを結成。
そこにピートとジョンが加わり、ザ・フーが結成されます。
64年当時、ドラマーを解雇していたザ・フーのステージに突如現れて、
「そのセッションドラマーよりオレの方がうまい」とドラムを叩き出し、
挙句の果てにドラムセットを粉々にしていったのがキース。
その破天荒な行動がメンバーに気に入られ、
ザ・フーはこの4人がパーマネントメンバーとなりました。
爆発的な人気を得、順風満帆に思えた彼らですが、裏は大変。
最年長でリーダーを自負するロジャーと、ヒットメイカーのピートの確執、
ドラッグとアルコールに明け暮れるキース、浪費癖の治らないジョン。
78年、遂にキースがこの世を去り、82年には正式に解散を発表したのです。
その後、84年のバンド・エイドの「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?」に参加したり、
結成25周年ツアーを組んだりと復活の道を歩むのですが、02年、ジョンが急逝。
逆にこの不幸がロジャーとピートの絆を強め、今もザ・フーとして活動を続けているんですね。
影響を受けたアーティストとして、パール・ジャムのエディ・ヴェダーや、
オアシスのノエル・ギャラガーなどもインタビューに応じており、
この映画では、ファンのお宝も借りて、幻の映像と呼ばれるものがたくさん!
ファン必見の一本です。☆4つ。
「ザ・フー:アメイジング・ジャーニー」公式サイト

「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」は、サバイバル・コメディ。
“落ち目のアクションスター”のダグ、
“おならネタ・コメディアン”のジェフ、
“なりきりやり過ぎ俳優”のカーク。
この3人の訳あり男優が、一本の映画に出演を決めました。
それはベトナム戦争の英雄伝を映画化した
「トロピック・サンダー」という作品でした。
ところが集まった役者もおバカなら、スタッフもおバカ。
制作予算を3日で使い切り、さぁどうしようと。
そこで考えたのは本物の戦闘地帯に役者たちを置き去りにすること。
周りは白人に憎しみを抱くゲリラたち。
そうとは知らずにこれは迫真の演技なんだと芝居を進める3人。
果たして無事生きて帰ることができるのでしょうか…。
なんかありましたね、最近の三谷幸喜作品に似た設定のものが(笑)。
かなりシュールな笑いもあり、3人の人間臭い悩みもこの映画の根っこを支えます。
ベン・スティーラー、ジャック・ブラック、ロバート・ダウニーJrですから、
雰囲気は推して知るべし。
笑いに品なんて不要だぜという方にはお勧めです(笑)。☆3つ。
「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」公式サイト

「バンク・ジョブ」は、実話に基づく
イギリスのスキャンダラスな銀行強盗事件を描いたもの。 1971年のロンドン。
昔はワルだったものの、今は堅気となり、妻子と暮らすテリー。
ところが経営する中古車屋は火の車。借金取りの取り立てが日常茶飯事という状況。
そんなある日、昔の仲間でモデルのマルティーヌが銀行強盗の話を持ち掛けてきます。
「もう足を洗ったんだ」と断るテリーに、
「ロイズ銀行が一週間だけ警報解除になるという確かな情報を掴んだの」
とマルティーヌは言います。
それは間違いの無い情報でした。
彼らは仲間を集め、行動に移ります。
銀行の並びの店を借り、穴を掘ってロイズ銀行の地下金庫に辿りつき、
お金や貸し金庫の中身を奪い放題!
しかしこの話には、裏があったのです。その裏とは?…。
さまざまなスキャンダルが眠る貸し金庫。
知った者は消される運命の秘密もあり、テリーたちは命を狙われるハメに。
その窮地をどう逃れるかがこの映画の見どころなんですが、
事件のあった71年当時、未曾有(“みぞうゆ”じゃないですョ。“みぞう”)の銀行強盗に、
始め毎日のように書き立てていた新聞の報道がある日を境にピタリと止まったそう。
これには政府による報道規制が敷かれたのだとか。
この映画、9割方が事実という声もあるようです。
ワイドショー好きの人はハラハラドキドキかも?☆3つ。
「バンク・ジョブ」公式サイト

「ブラインドネス」は、カナダ、日本、ブラジルの合作映画。
車を運転していたら、突然目の前がまっ白になって視力を失った日本人男性がいました。
眼科に行くも、原因はわかりません。
ところが、この病はアッという間に世界中に広まって行ったのです。
政府は患者の隔離政策に出ます。施設は元精神病棟。
彼の目を診た眼科医も感染し、その粗末な施設に送られるのですが、
眼科医の妻だけは何故か感染を免れ、
目が見えない振りをして夫と共に施設に潜り込むんですね。
次々と送り込まれてくる患者たち。
汚物にまみれ、とても人の生きていく環境ではなくなるものの、
政府の手は伸びるはずもなく。
中では派閥争いが始まり、わずかな食料をも奪い合う。
自分たちはどうなってしまうのか。外は一体どうなっているのか。
軍隊に囲まれている彼らには知る術もなかったのです…。
実は外も皆、視力を失った人ばかりで。その様はまさに地獄絵でした。
それでも何故か眼科医の妻だけは目が見えているんですね。
ラストが気になるでしょ(笑)。
ボクもずっと、この映画はどこに着地するんだろうとそればかり気になって(笑)。
言えないけど、あ、こういうのも手法としてはありかなと思いました。
“承・転”の映画。あ、言っちゃってるようなもんか(笑)。
怒らないで下さいねっ。
スッキリするか否かはまさにアナタ次第の一本です。☆3つ。
「ブラインドネス」公式サイト

 
 


 
 
 週末公開の映画……2008.11.12

「ジョージアの日記 ゆーうつでキラキラな毎日」☆☆
「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」☆☆

今年10月までに見た映画は137本。残りの日にちを考えると、
今年は例年より少し少ないかも。
それでもかなりいい作品と出会えました。あと2ケ月。
さらにいい映画と出会えるのを楽しみに。さ、今週は2本です!

「ジョージアの日記 ゆーうつでキラキラな毎日」は、イギリスの青春コメディー。
女子高校生のジョージア。
決して美人とは言えないジョージアでしたが、現在青春真っ只中。
ある日、学校に双子のイケメン転校生、ロビーとトムがやってきます。
ジョージアはロビーに一目惚れ。トム狙いの親友ジャスとタッグを組んで、
あの手この手で何とか恋人になろうとするのですが、
ロビーはクラスで一番セクシーなリンジーといい感じ。
果たしてジョージアの恋は叶うのでしょうか…。
ホントにあれやこれやで頑張るんですが、ジョージアはロビーの気を引こうと、
気のない他の男の子と付き合ってる振りをします。
その男の子は実はジョージアのことが好きなんですね。
その作戦がロビーにバレて、ロビーからもその男の子からも
最低のヤツと言われてしまうジョージア。
でもみんなこんな失敗をしながら大人になって行くんだって。
何度も同じ過ちを犯したらおバカさんだけど、青春の失敗はまさに教科書にないお勉強。
恥かいて、涙流して、イイ女になって行くんだから(笑)。
イギリスものと聞くと、過剰に期待しちゃうんですよね。
「ブラス」、「フルモンティ」、「ラブ・アクチュアリー」と
ボクはイギリス映画が好きなので。
そこまでの感動やスカッと感は残念ながら無かったかなぁ。
まだ“青い”ジョージアだから仕方ないか。☆2つ。
「ジョージアの日記 ゆーうつでキラキラな毎日」公式サイト

「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」は、ゾンビ映画の巨匠、
ジョージ・A・ロメロ監督作品。
大学の映画学科のメンバーが、ペンシルバニアの山奥でホラー映画を撮っていると、
スタッフのひとりがラジオから流れる衝撃的なニュースに気付きます。
それは世界中で死体が甦り、人間を襲っているというものでした。
まさかと思いながら撮影を中断。
車で山を下りるメンバーでしたが、
街中ではそのニュース通りに死人が甦り、人を襲っていたのです。
噛まれたものはゾンビと化す。殺すには銃で頭を打ち抜くしかない。
ドキュメンタリー監督を目指していたジェイソンは、
この地獄絵をすべてカメラに収めようと、
片時もカメラを離さずに危険の中に飛び込んで行きます。
次々と仲間がゾンビになって行く現実。ジェイソンの運命は?
また人類は一体どうなってしまうのでしょうか…。
混乱したメディアは嘘の情報ばかりを流し、
まったく鎮静化の方向にないのに事態は収束の方向へと報じる。
ジェイソンは真実を伝えなくてはと使命感に燃え、
インターネットを使って映像を流し続けます。
そこにマスコミによる情報操作の危うさ、怖さも描いているのですが、
この監督の作品は昔から“社会派ゾンビ”ですよね(笑)。
ゾンビを通してメッセージを送るという。
挿入される映像もいわゆる9・11からイラク戦争へのものですから。
この手法も個性なんだろうなぁと。
ジェイソンのサイトのタイトルが「Death of Death」、
“死の死”です。
つまり死ぬことが許されなくなり、人は彷徨い続けるということ。
このサイトのアクセス数がものすごくなり、
次第に世界中が自分の映像に注目してるんだという部分にジェイソンは恍惚とします。
それも実はすごく危険なことなんですよね。
最後はどうなっちゃうのか、もちろん言いませんが、ボク的にはう〜ん(笑)。
好き嫌いだと思うけど、ホラーはホラーで着地してる方が好きかも。☆2つ。
「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」公式サイト

 
 


 
 
 週末公開の映画……2008.11.6

「かけひきは、恋のはじまり」☆☆☆
「ヤング@ハート」☆☆☆☆

先日映画のTV番組に出ていた人のテロップに、
「年間120本の映画、DVDを見る」とありました。
「オレの方が全然多いじゃん」と思ったけど、話してる中身はあっちの方が深い…(笑)。
やっぱり本数じゃないなと思い知りましたf^_^;。
さ、今週は2本です!

「かけひきは、恋のはじまり」は、ジョージ・クルーニー監督、主演作。
舞台は1925年、まだ禁酒法時代のアメリカ。
中年男のドッジは、プロのアメリカン・フットボール・チーム
“ブルドッグス”のベテラン選手。
でも当時のプロはお粗末なもので、統一のルールもなく、
スポンサーも付いては離れの繰り返しでした。
逆に人気だったのがカレッジ・フットボール。
特に“弾丸”の異名をとるカーターは、甘いマスクに加え、
第一次世界大戦の武勇伝も手伝って、全米レベルでの人気者だったのです。
そんな中、遂に解散を言い渡されてしまったブルドッグス。
ドッジは愛するフットボールのためになんとかできないかと、
カーターをスカウトするためにシカゴに向かいます。
カーターの武勇伝、それはたったひとりでドイツ小隊を降伏させたというもの。
ところが、それがでっち上げだという情報が地元紙にリークされるんですね。
ホントなら大スクープ!そこで密着取材を言い渡されたのが美人記者のレクシー。
CCというやり手のカーターの代理人も加わって、
4人がシカゴのホテルで一堂に顔合わせ。
みんなが腹にイチモツ持ってのご対面。波乱の物語はここから始まったのです…。
カーターは都会的美女のレクシーにメロメロ。
ドッジも途中でレクシーがなぜカーターに近づいたかに気づくんですね。
いつの間にか恋の矢印も複雑な方向に向き始めて。
でも、もぐりのバーで酒を飲むのも単に酒が飲みたいからだし、
フットボールで反則をするのもイタズラ心の延長で。
あの頃の“悪さ”って、その裏に人間臭さがありました。
今のような極悪非道とは質が全然違うよなぁと。
ドッジにはジョージ・クルーニー、レクシーにはレニー・ゼルウィガー。
古き良きアメリカが描かれた作品と言えそうです。☆3つ。
「かけひきは、恋のはじまり」公式サイト

「ヤング@ハート」は、アメリカの平均年齢80歳という
コーラスグループを追い掛けたドキュメンタリー。
とは言っても、単なるコーラスグループではなく
、歌うのはロック、パンク、そしてファンクだからビックリ!
マサチューセッツ州ノーサンプトン。
この小さな町の高齢者向け公営住宅に住むおじいちゃん、
おばあちゃんによって1982年に結成されたのが“ヤング@ハート”。
撮影当時、メンバーの最年少は75歳、最年長は93歳。
“やんちゃな年金生活者たち”と呼ばれる元気なおじいちゃん、おばあちゃんですが、
中にはガンを3回手術した人もいれば、世界大戦を2つ共経験した人もいる。
ヤング@ハートは、そんなお年寄りたちにとって、
欠かすことのできない生き甲斐となっていたのです。
地元の劇団ノーシアターの協力で、地元だけではなく、
ヨーロッパ、オーストラリア、カナダでも公演し、
大きな喝采を集めたりもしてきました。
そんな彼らの次の公演が、6週間後に控えています。
新曲を練習するけれど、曲のスピードやリズムの難しさにてんてこまい。
お年寄りだから体調面の問題もある。
果たして次の公演の幕を、無事開けることはできるのでしょうか…。
オープニングでいきなり、
ザ・クラッシュの曲をシャウトするのは93歳のおばあちゃん、
アイリーン・ホール。元気です(笑)。
ただし、この撮影の最中にも、大切な仲間がこの世を去ったりと、
辛く厳しい現実を、観る側も直視させられます。
それでも、「身体は老いていくかもしれないが、
心まで老いることはキッパリ拒否する」と。
素敵じゃないですか。
誰もが迎える老いの現実。生き甲斐を持つことで、
人はこんなにも輝くんだということを教えてくれる1本です。
ちなみにこの映画のサントラは、
11月5日にワーナーミュージックジャパンからリリースされてます。
ロゴマークはローリングストーンズのベロを出したあの口が
入れ歯になったイラストというのも笑えるでしょ(笑)。☆4つ。
「ヤング@ハート」公式サイト

 
 


 
 
 週末公開の映画……2008.10.30

「ウォー・ダンス/響け僕らの鼓動」☆☆☆
「ハンサム・スーツ」☆☆☆☆

来週号の週刊ギャロップに「この秋見たい馬映画50本」が載るそう。
知ってたら原稿書きたかったなぁ(笑)。
どんな作品が取り上げられるのか楽しみにしたいと思います。
それでは今週の2本です!

「ウォー・ダンス/響け僕らの鼓動」は、
ウガンダの子供たちを描いたドキュメンタリー。
アフリカ東部のウガンダ共和国。
アミン大統領の独裁が終わり、復興への道を歩み始めたこの国には、
未だ紛争に苦しむ地方もありました。
パドンゴの難民キャンプに集まる子供たち。
彼らが唯一楽しみにしているのが歌と踊りでした。
先祖伝来の伝統舞踊で、祖国と民族への誇りを確かめていたのです。
ウガンダにある2万を超える学校の中から選ばれし代表が参加できるのが全国音楽大会。
そこにパドンゴの学校が出場できることになりました。
この国で最も危険な地域とされるパドンゴの学校が出場できるというのは
画期的なことだったのです。
会場は首都カンパラ。初めて見る大都会の風景。
子供たちの目が光ります。
そんな中で行われた音楽大会。果たして彼らの成績やいかに…。
パドンゴの何人かの子供にスポットライトを当てて映画は進むんですが、
その過酷な運命たるや驚くべきものがありました。
それでも夢や目標があると、子供たちの表情って実にキラキラと光り輝くんですよ。
これこそが、夢や目標を持てる環境作りがすごく大切なんだなと感じました。
こんな国内避難民を援助しているのが、国連難民高等弁務官事務所『UNHCR』。
その日本UNHCR協会のHPはwww.japanforunhcr.org/です。
関心を持った方はご覧になってみて下さい。☆3つ。
「ウォー・ダンス/響け僕らの鼓動」公式サイト

「ハンサム・スーツ」は、“スーパー・ドリーム・エンターテイメント”。
33歳の独身、大木琢郎。
亡き母が営んでいた庶民的定食屋「こころ屋」を継いで、
日々美味しいごはんを提供する心優しい男。
でも彼にはひとつ“残念”なところがありました。
そう、不細工だったのです。
ある日、「こころ屋」でバイトをしたいと超美人の寛子ちゃんがやってきます。
働き者で性格もいい。胸キュンとなり告白をする琢郎。
しかしあっさりフラれて、寛子ちゃんは複雑な表情を残し、
店を出て行ってしまいます。
失意の中、友達の結婚式に来て行くためのスーツを買いに行った琢郎に、
店員が勧めたのは着ぐるみのようなヘンテコなスーツ。
これこそがハンサム・スーツだったのです。
着れば体にフィットして、顔も体型も見違えるようにハンサムになるという、
夢のようなスーツ。
琢郎は念願のハンサムボーイに大変身!
名前も光山杏仁に変え、人気カリスマモデルとして活躍を始めます。
でも「こころ屋」に帰れば、スーツを脱ぎ、
不細工な琢郎に戻らなければいけないわけで。
数日後、「こころ屋」に新しいバイトのコが入ってきます。
これが不細工な本江ちゃんです。
ところが仕事もできるし、琢郎はこのコといると何より落ち着くんですね。
二足のわらじを履く琢郎が、ある日、究極の選択を迫られます。
お湯に弱いハンサム・スーツを着たまま、
女の子の部屋でシャワーを浴びてしまった琢郎。
もうこんな失敗はしたくないとあの紳士服店に行くと、
出てきたのはさらに完成度の高い“パーフェクト・ハンサム・スーツ”!
しかしこれを着たら、二度と元には戻れなくなってしまうのです。
定食屋の大木琢郎か、カリスマモデルの光山杏仁か。
本江ちゃんか、寛子ちゃんか。さぁ琢郎はどちらを選択するのでしょうか…。
琢郎にはドランクドラゴンの塚地武雅、杏仁には谷原章介が扮します。
不細工役ってどうよって思うけど(笑)、ハマり役!
塚地武雅って役者としてもいいですよね。
映画「キサラギ」でそう感じて、今はドラマ「裸の大将」でも活躍してますからね。
まぁ何をして不細工って言うのかってあると思うんですョ。
あばたもエクボじゃないけど、そんな個性が味だったりもするじゃないですか。
なんて自分を励ましつつ(笑)。
でもボクもこう見えて、
あの人気雑誌の初代ミスター・ポップティーン・コンテスト3位ですからねっ。
あのままの体型を維持してたら…。なんて虚しいからこの辺で(笑)。
この映画、小ネタやサプライズ満載です。
最後の最後まで席立っちゃダメですからね。☆4つ。
「ハンサム・スーツ」公式サイト

 
 


 
 
 週末公開の映画……2008.10.23

「ICHI」☆☆☆
「ブロードウェイ・ブロードウェイ」☆☆☆☆☆

試写会場で、おじさん3人が、以前見た作品の悪口三昧。
「ありゃ時間返せって言いたかったよ。でもさ、あれの第2弾ができたんだぜ。
ああいうの好きなヤツがいるんだな。っていうか俺の目が間違えてるのかなぁ。
ハッハッハ」と高笑い。
間違えてるのは、こういう場所でそういうことを言うあなたのセンスとその口ですって。
さぁ今週は2本です!

「ICHI」は、綾瀬はるか主演の女版・座頭市。
三味線を持った盲目の女旅芸人、市。
ある時、男たちに襲われそうになった市を、ひとりの侍が助けようとします。
ところが侍は刀が抜けません。侍の名は十馬。
もたもたする十馬を尻目に、仕込み杖から刀を抜いて男たちを斬り捨てる市。
それが縁で宿場町まで一緒に向かう市と十馬。
ふたりで賭場に行くと、市の耳が丁半を聞き分けて大儲けするのですが、
すぐさま追っ手に囲まれてしまうんですね。
またしても見事な太刀筋で斬り捨てる市。
その騒ぎを聞いた町の親分、白河組の二代目虎次は、
当然十馬が斬ったと思い込み、用心棒として雇います。
用心棒が必要な理由、それは万鬼という荒くれ者率いる万鬼党が
町を乗っ取ろうとしていたからなんです。
ところが十馬には人が斬れません。
万鬼は見抜きます。男たちを斬ったのは十馬ではなく、市だと。
そして市と万鬼の行き詰まる戦いが始まるのでした…。
勝新太郎、北野武で有名な座頭市を綾瀬はるかが演じたと話題の映画。
脚本も「大奥」などを書いた浅野妙子氏。
監督は男性なれど、女性の手による座頭市です。
脇を固めるのも、大沢たかお、中村獅童、窪塚洋介、柄本明など、個性派俳優ばかり。
エンターテイメントとして十分楽しめる作品だと思います。☆3つ。
「ICHI」公式サイト

「ブロードウェイ・ブロードウェイ」は、ドキュメンタリー映画。
16年振りに再演されることになったブロードウェイの人気ミュージカル
「コーラスライン」のオーディションに集まったダンサーたちの、
最終選考までの8ケ月間を追った作品です。
NYの街角にできた長蛇の列。その数なんと3000人。
これすべてあの大人気ミュージカル「コーラスライン」のステージに立ちたいと
応募してきたダンサーたちなんです。夢の切符をつかめるのはたったの19名。
まず行われた第1次審査は、バレエのステップ。
この段階で多くのダンサーが振り落とされます。
4ケ月後の第2次審査。ここではそれぞれの役にあてはめて、
歌とセリフのオーディション。
その役柄の解釈も大切なポイント。
内面をどうとらえているかで、表現もかなり変わってくるからです。
プロ中のプロによる厳しい審査。絞り込まれた数十人の候補者。
まったくの新人もいれば、既に名のあるダンサーもいる。
またひとつの役を、偶数にも親友同士が競い合ったり。
自分こそがアメリカンドリームを掴むんだと、
し烈な戦いはいよいよ最終選考へと入っていくのです…。
1975年5月21日に幕を開けた「コーラスライン」は、1990年4月28日までに何と6137公演!
ブロードウェイのロングラン記録を今なお保持する伝説のミュージカルです。
今は亡き振付師のマイケル・ベネットが、マンハッタンの練習スタジオに仲間を集め、
ダンスへの情熱や、これまでの人生、今まで誰にも言えなかった秘密、
将来の夢などをみんなで語り合い、その12時間にも渡る長い長い録音テープを元に作った、
まさにダンサーによるダンサーのためのミュージカル。
それだけにこの舞台に立ちたいと思うダンサーはものすごく多いのです。
最終選考までくると技術以上に、最後はメンタル面と、
恋愛にも似た出会い、相性がモノを言います。
8ケ月もの間、ひとつのオーディションのために
テンションを保つって並大抵のことじゃありませんからね。
昔、富澤一誠さんに言われました。
「自分から土俵は絶対に割るな。徳俵に足が掛かっていてもそこはまだ土俵の上。
じっと耐えていればいつか押し返す機がやってくるかも知れない」。
これまでのDJ人生で実感することがボクにはたくさんありました。
でもこの映画の中で、ある候補者は自ら土俵を割っちゃうんです。もったいない。
ちなみにこの再演版は、06年10月5日に初日を迎え、上演は続いてます。
実は日本人もひとり。沖縄からアメリカに渡って夢を掴もうと頑張るタカラユカさん。
彼女のパワフルな表情にも注目です。
みんな頑張ったねと拍手を送りたい映画。
結果も大切だけど、もっと大切なのはプロセスだって心から思います!☆5つ!
「ブロードウェイ・ブロードウェイ」公式サイト

 
 


 
 
 週末公開の映画……2008.10.17

「マルタのやさしい刺繍」☆☆☆☆

先日、ある映画評論家の方と立ち話。
「長谷川くん、最近映画見てる?」。
「はい。一応年間180本平均ですかね」。
「あ、そう。ボクは350本だよ」。
と、胸を張られてしまいましたf^_^;。すみません、ボクにはこれでもう精一杯でして。
数を競うものではないからね。ボクはボクのペースと立ち位置で。
さ、少ないけど(笑)、今週は1本です!

「マルタのやさしい刺繍」は、スイス映画。
美しい自然に囲まれたスイスの伝統的な村に暮らすマルタは80歳のおばあちゃん。
ところが少し前に夫に先立たれてからは元気がなく、
村の恒例行事である日曜礼拝にも行かなくなってしまったのです。
心配した友人たちは昔マルタが刺繍の仕事をやっていたことを知り、
ハプニングで破れてしまった村の合唱団の団旗の直しを頼むんですね。
友人たちと一緒に首都ベルンの生地屋さんへ足を運んだマルタ。
美しい布や刺繍に囲まれているうちに、若い頃の自分の夢を思い出します。
それはパリのシャンゼリゼ通りに自分のデザインで、
自分が刺繍したランジェリーのお店を開くこと。
友人たちは大賛成!
シャンゼリゼ通りじゃなくてもと、
亡き夫と営んでいた村の雑貨店を改良してランジェリーショップを始めたのですが、
そこはお堅く保守的な村。
いかがわしいだの、ハレンチだのと、マルタは村中から非難の嵐を浴びてしまいます。
ところが決して夢を諦めないマルタの姿に、
ひとり、またひとりと理解者が増えていったのです…。
そもそもマルタのランジェリーショップに大反対だったのは、
教会の牧師で実の息子のヴァルターと、村のリーダーで保守派政党のフリッツ。
そのフリッツのお母さんもマルタの応援団だから、
親世代がタッグを組んでしまうと息子たちはもうタジタジ(笑)。
この映画が現代的なのは、村では1枚も売れないと判断するや、
インターネットを使ってみようと仲間のひとりが
老人会のインターネット教室でパソコンを勉強してくる。
パソコン上でショップを開くと注文が殺到。
新聞も「田舎のおばあちゃんの素敵なランジェリーショップ」と取り上げてくれます。
声高に夢だけ叫ぶのではなく、やっぱり時代に合わせていくのも必要なんですよと。
この原稿をいつも携帯で打ってるボクも、
パソコン勉強しなきゃと改めて思います、ハイ(笑)。
その一方で息子のヴァルターには、
「あたしの人生なんだから、あんたにとやかく言われる筋合いはないっ」とピシャリ!
熟年層はもちろん、ちょっと行き詰まって疲れたというあなた、
見ればあったかい勇気と元気をもらえると思いますョ。☆4つ。
「マルタのやさしい刺繍」公式サイト

 
 


 
 
 週末公開の映画……2008.10.10

「アメリカン・ティーン」☆☆☆
「キング・オブ・トーキョー・オ・フィウミ」☆☆☆
「ゲットスマート」☆☆☆☆

先日見た試写の中で、なかなか結婚できない娘に母親が言います。
「女性に活躍の機会が増えたのは素敵なことだけど、
その分(男性の)選択肢が増え過ぎたのは不幸なことかも知れないわね」と。
裏を返せば、ふるいに掛けられて落とされる男性も増えたということですから。
なんかまたまたいろんなことを考えちゃいました(笑)。
さ、今週は3本です!

「アメリカン・ティーン」は、
アメリカの高校生の“今”を描いたドキュメンタリー。
インディアナ州ワルシャワのハイスクール。
さまざまな環境の家庭に生まれ育った生徒たちの、高校生活最後の1年間が始まります。
主な登場人物は5名。
保守的な町が合わないと、変わり者を自認するハンナ。音楽やアートが趣味。
バスケット部のエースでスター選手のコーリン。
でもスポーツ奨学金がもらえないなら軍隊へ入れと父。
その言葉がかなりのプレッシャーに。
オタクのジェイク。マーチングバンド部所属。恋人が欲しいと悪戦苦闘の日々。
地元の名士でもある医者の娘、メーガン。
かなりのわがままキャラで女王様的存在。
でもその実、彼女も家業がプレッシャーになっていたのです。
イケメンでもてもてのミッチ。
“普通じゃない”ハンナに恋しちゃうけど、果たしてうまくいく?
そんな若者を中心に繰り広げられる青春物語。
制作陣は1年間、この高校に張り付く形でカメラを回したそう。
ドキュメンタリーだっていうけど、
演出はないのかなぁって思うくらい、逆に“自然”です(笑)。
それはさて置いても、リアルさというか生活や価値観が日本とは違うから。
世代もあるのかなぁ、いや、ないと思うけど(笑)。
ボクはあまり感じ入ることができませんでした。
だから客観的にふ〜んって感じ。
典型的で普遍的なアメリカの若者像だとか。
知りたい人は見てみるといいですョ。☆3つ。
「アメリカン・ティーン」公式サイト

「キング・オブ・トーキョー・オ・フィウミ」も、ドキュメンタリー。
こちらはブラジル人Jリーガー、アマラオの物語です。
Jリーグが開幕した92年。ブラジルからひとりのサッカー選手がやってきました。
彼の名はワグネル・ペレイラ・カルドーゾ、通称アマラオ。
JFLの東京ガスフットボールチームに入り、98年優勝。
FC東京としてJリーグ昇格。アマラオは晴れてJリーガーとなりました。
ファンからも選手からも地元からも愛されるキャラで
“キング・オブ・トーキョー”と呼ばれ、
その後数々のチームを渡り歩き、07年4月に現役を引退。
どのチームに行こうとも愛され続けたその訳とは?
アマラオの素顔を数々の証言と共に紹介する1本です。
ボクは正直、あんまりサッカーわからないから、ピンと来なかったんですよ。
ごめんなさい。
でも、彼の人柄の良さはサッカーを知らなくてもわかります。
伝わるものがあるもの。 特に自分と同じように、言葉もわからない国に来た外国人選手への心配りとか、
地元愛みたいな部分はまるで下町人情。日本人の心は掴むよなぁと。
応援してきたファンにはたまらない回顧録なんじゃないですか?☆3つ。
「キング・オブ・トーキョー・オ・フィウミ」公式サイト

「ゲットスマート」は、スパイもののアクションコメディ。
世界征服を企む凶悪な犯罪組織カオス。
そのカオスの陰謀を防ぐべく密かに活動を続けているのが、
アメリカの極秘諜報機関コントロール。
そのコントロールの中にあって、優秀なデータ分析能力を発揮する男、
彼の名はスマート。
でもスマートの望みはエージェント。
つまりあの007のように派手にカッコよく悪を倒すヒーローになりたかったのです。
そんなある日のこと、
コントロールの本部が襲撃され、データが盗まれてしまいます。
もちろんカオスの犯行。
秘密裏に動いていた数多くのエージェントの身元もバレてしまった訳で、
チーフは考えた末、まだ敵に存在を知られていないスマートを
エージェントに昇格させるんですね。
そしてもうひとり、全身整形を施し、
ゴージャスボディに若く美しい顔を作ったばかりのベテラン女性エージェント、
“エージェント99”とコンビを組ませたのです。
刻一刻と進むカオスの陰謀。
果たしてこの即席コンビは地球のピンチを救うことができるのでしょうか…。
スマートは憧れのエージェントになれて、
やること成すことみんなキザに決めようとする。だけどもちろん空回り。
ドジで間抜けなスマートと、
ベテランの敏腕女性エージェントとでは任務もうまく遂行できるはずもなく。
ところが次第にスマートの情熱がいい方へと働いて、
エージェント99の危機を救ったりもするのです。
そして互いの信頼も深まっていくんですね。
子供の頃、特に男の子は、駄菓子屋さんやおもちゃ屋さんで売ってた
スパイグッズを買って遊んだじゃないですか。
それにまるでドリフのようなドタバタ喜劇が加わり、
さらにハリウッドの味付けがなされる訳ですから、
豪華な「8時だョ全員集合!」みたい(笑)。
なんか潜在意識にある笑いのツボを押されたかのような1本。
大いに笑えます。☆4つ。
「ゲットスマート」公式サイト

 
 


 
 
 週末公開の映画……2008.10.4

「三本木農業高校、馬術部」☆☆☆☆

ある映画会社の試写室はロビーに自動販売機があって、
そこで飲む缶ジュースは無料なんです。
でも年配の常連さんが野菜ジュースを何本も出してカバンに入れて行くんですよ…。
見てるとなんだか切なくなっちゃう…。
「ご自由にお飲み下さい」の“ご自由に”の意味は絶対違うんだけどねぇ。
さ、今週は、ジュースじゃないけど1本です(笑)。

「三本木農業高校、馬術部」は、実話に基づく人と馬との物語。
青森県にある三本木農業高校。2年生の香苗はこの学校の馬術部員。
彼女の担当はかつて馬術界で名を馳せた名馬のタカラコスモス、通称“コスモ”。
今は左目を患って一線を退き、この学校にもらわれてきていたのでした。
「プライドばっかり高くって、気性の荒い、扱いづらいだけのバカ馬だぁ」。
香苗はことあるごとに仲間にこうこぼしていたんですね。
ところがある日、香苗はふとした仕草から
コスモの左目がほとんど見えなくなっていることに気付きます。
「怖かったんだね…。コスモ…」。
それを機に献身的な世話をする香苗に、少しずつ心を開いていくコスモ。
ふたりの距離が徐々に縮まり始めた瞬間でした。
そして高校最後の競技会。香苗は監督にコスモで障害飛越に出場したいと訴えます。
無理だと止める監督に香苗はこう言うんですね。
「私がコスモの目になります!」と…。
この映画のサブタイトルは『盲目の馬と少女の実話』。
主役の香苗に扮するのは、父・長渕剛、
母・志穂美悦子という彼女自身もサラブレッドの長渕文音。
乗馬の訓練をみっちりと重ね、スタントを使わずに撮影に臨んだ出演者たち。
落馬をしたり、馬と馬房の間の壁に挟まれたりと
、何でもないようなシーンでさえ、実はかなりの危険を伴います。
だって“馬力”という言葉があるぐらい、馬の力ってすごいんですから。
ボクの仲良しのJRAのある調教師さんが、以前こんな話をしてくれました。
「まだ調教助手の頃、自分の担当していた馬がゴール前でガクンと体が沈んだので、
これはまずいと思い走って行ったら、案の定骨折しちゃっていて。
助からないとすぐわかった。
でも馬は俺を見つめててさ。
その目は『ようやく来てくれたね。痛いよ。助けてよ』って訴えてるんだ。
いつも生意気で言うこと聞かないから、『絶対にコイツ俺のこと嫌いだな』と思って接してたけど、
でもその目を見た時にそうじゃなかったんだなって初めて気付いたんだよ。
馬運車の中で、『大丈夫。絶対助けてやるから』と口で言いながら心の中では、
『ごめんな。ごめん』と何度も何度も謝って。ずっと涙が止まらなかった。
今でも一番印象に残ってる馬は?と聞かれると真っ先にその馬を思いだすんだよね」。
その調教師はG1トレーナー。でも勲章を与えてくれた馬じゃなくて、
不慮の事故で逝ったその馬を思うんだそうです。
たぶん動物と関わるってみんなそうでしょ。
だから競馬ファンだけじゃなく、本当に多くの人に見てもらいたいんですよね。
体当りの演技も感動モノですョ。☆4つ。
「三本木農業高校、馬術部」公式サイト

 
 


 
 
 週末公開の映画……2008.9.26

「最後の初恋」☆☆☆
「女工哀歌」☆☆☆
「トウキョウソナタ」☆☆☆
「ファン・ジニ 映画版」☆☆☆
「ヘヴィメタル・イン・ザ・カントリー」☆☆☆

試写状を見ていたら、1月公開作品が結構あるんです。
鬼が笑う?いやいや鬼も笑う暇がないほどサイクルは早いってこと。
いい作品や気になる作品もアッという間に公開が終わってしまうことも。
見逃さないようにして下さいね!
さ、今週は5本です!

「最後の初恋」は、リチャード・ギア、ダイアン・レイン主演の、大人の恋の物語。
エイドリアンは2児の母。
思春期の娘と、小児ぜんそくを患う幼い息子がいます。
夫のジャックは家族を捨て、浮気相手と出て行ったにも関わらず、
その女と切れたからと復縁を迫ってきます。
勝手な言い分に腹を立てながらも、
子供のことを考えたら元に戻るのがいいのかなぁと迷うエイドリアン。
親友のジーンが経営する海辺のホテル。
小さいけれど趣きのあるこのホテルに、珍しくシーズンオフの予約が入るんですね。
ところがジーンは他の仕事で出張に行かなくてはならないと。
こんな時はいつものようにエイドリアンがお手伝い。
やってきたのはポールという男性客。
聞けば外科医で、自分が執刀した手術で患者を死なせてしまったと。
その遺族に呼ばれ、釈明のためにこの町に来たといいます。
家族のことを省みず、医者としての使命に一生懸命だったというポール。
しかしそれは家族のためにと自分を犠牲にしてきた
エイドリアンにとっては正反対の生き方。
憧れと反発が交差するふたりの会話、そして行動。
折しも町には巨大なハリケーンが近付いていました。
このハリケーンが、互いの心に、恋の嵐を巻き起こしていくのでした…。
自分の中では夫との復縁は絶対にあり得ないとわかっているエイドリアン。
術後の行動に背を向け去って行った
同じ医者である息子を再び呼び戻したいと願うポール。
ふたりの中に芽生えた大人の恋心が、
これまでの自分にきっちりケリをつけることを決意させてくれます。
そして一度離れて再会を誓うふたり。
そんなふたりをつないだのは“手紙”でした。アナログでしょ(笑)。
メールじゃないんですよ、手紙!
ホテルのBGMもジャズのLP盤にそっと針を落とすんですが、
そんなアナログの暖かさや温もりが、見る側をホッとさせてくれます。
この良さだけは、わかる世代にしかわからないのかもしれないけど(笑)。
結末は劇場で確かめて欲しいんですが、
いずれにしても年齢に関係なく、やっぱり恋愛はいいよなぁと。
本当の、素のままの自分でいられる相手と出会うことがどれほど大事か。
ボクもどこかにチェックインしたくなりました(笑)。☆3つ。
「最後の初恋」公式サイト

「女工哀歌(エレジー)」は、
中国の工場勤務の若い女性たちを追いかけたドキュメンタリー。
ジャスミンは四川省の農村に生まれた16歳の女の子。
家計を助けるために彼女は家を出て、都会のジーンズ工場で働きます。
1部屋に12人が寝泊まりする狭い部屋に暮らし、忙しい時に徹夜は当然。
それどころか、朝8時から翌日の午後3時までという想像を絶する長時間労働もある。
にも関わらず給料は遅れる。でも社長は儲かってるみたいだし。
と、急成長を遂げる中国の現状を描いた作品です。
安い労働力と言っても、決して権利や制度に守られたものじゃなく、
泣く泣く働かざるを得ない実情がある。
一人っ子政策の影響もあるのでしょう、
偽の身分証明書で働いてる子もいるぐらいだから。
こんな形での労働力が約1億3000万人いて、人口の約10%に当たるとか。
数だけで言うなら、日本人全員が出稼ぎ労働者ってこと?すごっ。
そう考えたら、北京オリンピックのコンパニオンも美人揃いな訳だ。
だっていったい何億人の中から選んでんのって話でしょ(笑)。
それだけの人数に隅々まで倫理上の教育を施そうとしても確かにこりゃ大変ですよね。
ほんの一部が犯したルール違反が、
結局中国産全体のイメージになっちゃうんだから。
根は深そう。でも映画に出てくる子たちの頑張りはピュアでした。
なんだか幸せになって欲しいなと願ってしまいます。☆3つ。
「女工哀歌(エレジー)」公式サイト

「トウキョウソナタ」は、家族の崩壊と再生の物語。
線路沿いの小さなマイホームに暮らす4人家族。
父は健康機器メーカーの総務課長、佐々木竜平。
母は専業主婦の恵。長男は大学生の貴。次男は小学六年生の健二。
リストラされたものの、それをまだ妻に言えず、
会社に行くふりをしてハローワークに通い、
昼はボランティアの炊き出しに並ぶ父・竜平。
長男・貴はバイトをしているとかで連日の朝帰り。
ある日、急にアメリカ軍の外国人部隊に入隊すると言い出し、
手続きを済ませてきてしまいます。
次男・健二は近所のピアノ教室の先生に一目惚れ。
親にナイショで教室に入会。給食費を月謝にと払ってしまうんですね。
さらには母の恵までもが家族に秘密を持ってしまう。
そんな佐々木家に明日はあるのでしょうか…。
と、出来事だけを書きましたが、
それぞれにいろいろ伏線というか物語はあって、
映画の中ではもちろんそれがしっかりと描かれてます。
モデルはごく普通のサラリーマン家庭なのに、
起こる出来事はちょっと“普通”を飛び越えていて。
それを面白いと思うか、あり得ないと思うかで
この映画の評価は変わるんじゃないかなって思います。
ボクはう〜ん、映画だからこれくらいはいっかって感じ(笑)。
小泉今日子、香川照之らが出演。
「グーグーだって猫である」でもそうだけど、
キョンキョン、最近素晴らしいと思います!☆3つ。
「トウキョウソナタ」公式サイト

「ファン・ジニ 映画版」は、
16世紀の朝鮮王朝時代に実在した妓生(キーセン)の物語。
男が尊く、女が卑しいとされていた時代。
貴族の娘に生まれ、詩、歌、琴、絵、書などに秀いでていたチニ。
縁談も決まり、さぁいよいよ結婚という時に、
突然破談となってしまいます。
実はチニには本人も知らない出生の秘密がありました。
父が下女を手ごめにし、生まれたのが自分だと知るのです。
そうと知ってはこの家にはいられないと、
実の母が辿った道を生きようと決意します。
それは、芸はもちろん、体をも売って生きる妓生の道だったのです…。
小さな頃からチニを見つめてきたノミという男性がいて、
互いになんとなく恋心もあると。
そんなノミにチニは自分のこれからの人生の3つの選択肢を言うんですが、
「ええっ?他にあるでしょうが…」っていうくらい
すべて“不幸”にベクトルは向いてて、そんな中でも妓生を選んでしまう。
時代も国も違えばそういうことなんだろうかと思うしかないんですけどね。
まぁ美人で教養があって、遊廓では大人気。
でもそうそういいことは続かないのが人生なんですよねぇ。
韓国でファン・ジニの物語は、TVドラマはもちろん、
書物にもたくさんなっているそうです。
韓国人男性に「歴史上の女性で一番会ってみたい人は?」と聞くと、
トップはファン・ジニなんだそう。
映像も華やかで、綺麗で。だからこそ彼女の人生がより物哀しく映るのです。☆3つ。
「ファン・ジニ 映画版」公式サイト

「ヘヴィメタル・イン・ザ・カントリー」もドキュメンタリー。
ドイツ南部にあるドンツドルフという村のお話。
今や世界屈指のヘビメタ・レーベルに成長した「ニュークリア・ブラスト」。
創始者でGMのマルクス・シュタイガーは
趣味が高じてひとりでレーベルを立ち上げたんですが、
ジャーマン・メタルが大当たり。
村の主婦たちはこの会社で通販の社員として働いていて、
世界中にヘビメタ・グッズを送っているんですね。
他にもTシャツを作ってる会社があったり、
とにかく村の主要産業がヘビメタという変な村がドンツドルフ。
ヘビメタ・ファンならずともちょっぴり気になりませんか?
笑顔でドクロの置物を包んでる奥さん、違和感ありあり(笑)。☆3つ。
「ヘヴィメタル・イン・ザ・カントリー」公式サイト

 
 


 
 
 週末公開の映画……2008.9.18

「幸福」☆☆
「東南角部屋二階の女」☆☆☆
「ベティの小さな秘密」☆☆☆
「蛇にピアス」☆☆☆

さぁ“芸術の秋”です。映画を見るにはいい季節になりました。
あなたは映画を誰と見ますか?
複数で見ればあとでワイワイ語り合えますが、ボクはひとりで見ることもお勧めします。
ボクは、私は、映画はひとりですョという人も多いんじゃないですか?
誰にも気を遣わずにスクリーンの世界に浸るのもいいものですよね。
さ、今週は3本です!

「幸福(しあわせ)」は、“訳あり”中年男女の物語。
北海道の勇払駅。ボロボロの格好をしたひとりの男が降り立ちます。
男は町外れの公園に辿り着くと、突然眠るように倒れ込んでしまうんですね。
それを見つけたひとりの女。
彼女もまたこの町でようやくスナックでの働き口を見つけたばかり。
それでも見過ごすわけにはいかないと、男を介抱します。
ここから、ふたりの奇妙で微妙な関係がスタートするのでした…。
他にもスナックのマスター、マスターの恋人であるホテトル嬢、
「心凍らせて」しか歌わない常連客などが登場。
夢や希望を抱くのが難しい町で、それぞれの運命に翻弄されていきます。
☆が少ないのはね、ボクはラストがちょっと気に入らないんです。
個人的な思いですけど。
書くとストーリーの結末がわかっちゃうから書かないけど、
それって勝手過ぎません?“幸福”ってそれですか?って、
特に女に問いただしたい気分です。
ごめんね。まったくわからないですね(苦笑)。
独特の空気が流れる作品。アングラな匂いも漂わせつつ。☆2つ。
「幸福(しあわせ)」公式サイト

「東南角部屋二階の女」は、27歳の女性監督、池田千尋監督作品。
野上、三崎、アヤ。3人の男女がひょんなことから出会い、
同じアパートのそれぞれの部屋で暮らすことになります。
4世帯しかないその古いアパートは、野上の祖父の持ち物。
野上の父は莫大な借金を残して死んでしまい、
それを返すにはこのアパートを売るしかないと。
それまでのつなぎにとみんなで住んでいるのですが、
売却に対して頑として首を立てに振らない祖父。
何にもしゃべらないので、その真意がわからない野上。
ある日のこと、強烈な台風が上陸。
アパートの雨戸は外れ、雨が二階の“開かずの部屋”に降り込みます。
これはまずいと部屋に入った3人はあるものを発見するのです…。
こちらも訳ありの20代後半から30代の男女を描いた作品。
こういう映画が多いということは、
今の世の中、やっぱり生きづらいのかなぁ。
でもこの3人は、いろんな人と関わっていく中で、
視野が広がり、視点自体が変わっていく。
この古いアパートも、
祖父にとってどんな意味を持つのか理解できるようになるのです。
回転寿司じゃないけど、今の人は他人と関わるのを面倒くさがるでしょ?
確かに面倒だけど、でもそれってすごく大切なんだって。
きっとそんなことを教えてくれる1本だと思います。☆3つ。
「東南角部屋二階の女」公式サイト

「ベティの小さな秘密」は、小さな少女が主人公のフランス映画。
ベティは10歳の女の子。
パパは精神病院の院長さん。
お家は病院と隣接していて、壁で隔てられた向こうにありました。
大好きなお姉ちゃんは寄宿学校に行ってしまい、
パパとママはケンカばかり。
どうやら原因はママの浮気らしいのです。
収容所にいる犬のナッツがかわいくて引き取りたいのだけど、
パパは消極的。
もうすぐ安楽死処分の日がやってきてしまいます。
ベティには悩み事がいっぱい。
そんなある日、自転車をしまいに小屋へ行くと、
若い男性が震えながら隠れていたのです。
彼の名はイヴォン。パパの病院から脱走してきたのでした。
ベティはイヴォンといると何故か落ち着くんですね。
不安そうなイヴォンをかくまうベティ。
この日から、ベティの秘密の毎日が始まったのです…。
子供の頃の、おままごとのお母さん役のようなベティがかわいかったです。
おままごとのお母さんって、
別の側面から見れば恋する女性が内包されているでしょ?
おませなベティにとってはこれは初恋じゃないのかなぁ。
カラフルな色づかいと、毛糸の暖かさみたいなのが特徴。
ベティにとってはすべてが大冒険!
微笑ましく、童心に帰って見てみてはいかがですか?☆3つ。
「ベティの小さな秘密」公式サイト

「蛇にピアス」は、金原ひとみの芥川賞受賞小説の映画化です。
生きて行くことに何の目的も見出だせず、
心にポッカリと穴の開いたまま単調な毎日をただ過ごすだけのルイ、19歳。
ある日、フラッと入った渋谷のクラブで、
個性的なルックスの男性と出会います。
赤毛のモヒカン、眉と唇にピアス、背中に龍の刺青。彼の名はアマ。
アマがルイに尋ねます。「スプリット・タンって知ってる?」
そう言って舌を出すと、その先は蛇のように2つに割れていたんですね。
それを見たルイの中で何かが目覚めます。
アマに連れて行ってもらったのは、
全身タトゥ、顔中ピアスのシバが営業する怪しげな店。
そこでルイも舌にピアスを開け、徐々に大きなものにして、
自分もスプリット・タンにしようと決めたのです。
アマと付き合い始めた一方でシバとも関係を持つルイ。
ルイは背中にタトゥを入れることも決意します。
アマの背中にある龍と、シバの右腕にある麒麟。
その2つが絡み合う絵を彫って欲しいと。
「でも目だけは入れないで。飛んで行ってしまうから」。
ふたりの男性と関係を持つことで生じる心の痛みと、
ピアスを開け、刺青を彫ることで感じる体の痛み。
生きていることを実感させてくれるのはこの“痛み”だけ。
ところが、アマの起こした傷害事件がきっかけで、
3人の関係は思いもよらぬ方向に進んで行くのでした…。
04年に綿矢りさと共に芥川賞を受賞した時、
最年少記録を大幅に更新したと話題になりましたよね。
そんな彼女の作品を手掛けたのは72歳の蜷川幸雄監督。
50歳以上の年齢差がこの若者の世界をどう描くのか?
興味は尽きなかったのですが、尖った個性を演出させたら日本屈指の演出家でもあります。
この選択は大正解だったに違いありません。
とにかく異様なルックスのアマとシバ。違う生き物を見ているようでもあり、
そっちの方向に向かって行ってるルイに、
つい「もう少し自分を大事にさぁ」なんて言葉を掛けたくなりますが、
そんなこと言ったら「うっせーよっ、おっさん!」と
間違いなく怒鳴られるんだろうなぁ(笑)。
へなちょこなボクには本当に痛い映画でした。☆3つ。
「蛇にピアス」公式サイト

 
 


 
 
 週末公開の映画……2008.9.12

「あぁ、結婚生活」☆☆
「おくりびと」☆☆☆☆
「フライングラビッツ」☆☆
「フロンティア」☆☆
「ヨコヅナマドンナ」☆☆☆

今回は全体的に評価が低めですが、かなり個人的な見解での評価です。
「違うじゃん」とか、「ダメだよ、そんなの」とか。
腕組みをして、しかめっ面で試写を見ていたような気がします(笑)。
ま、あくまでボクの価値観ですから。
あなたにはどう響くのか。逆に感想も聞きたいところです。
それでは今週の5本です!

「あぁ、結婚生活」は、タイトル通り、ある夫婦の結婚生活を描いた物語。
舞台は40年代のアメリカ。
会社社長のハリーは、高級住宅地に妻のパットと暮らしています。
熟年夫婦であるふたりの価値観は少々違っていて、
ハリーは本当に自分を愛してくれる人と一緒にいたいと。
パットはその愛情がセックスだと思っているんですね。
そんな時、ハリーに若くて美しい恋人ができます。彼女の名はケイ。
ケイは夫を戦争で亡くした若き未亡人。
でも経済的な面とかではなく、心底ハリーを愛していたのです。
「どうしたものか」。
ハリーは悩み、親友のリチャードに相談します。
ケイを紹介されたリチャードはビックリ!
「こんなにキレイな若い女性がハリーの恋人とは」。
しかしハリーは自分のことを愛しているはずの妻パットのことを考えると、
離婚を切り出すことができません。
ところが、リチャードがハリーの別荘に行くと、先に来ていたパットが浮気の真っ最中。
そんなこととはつゆ知らず、ハリーは離婚を言い渡すより
殺してしまった方が彼女も幸せだろうと、パットの毒殺を計画します。
一方のリチャードも、なんとかケイをハリーから奪い取りたいと画策をするのです。
果たしてこのドロドロした関係の行き着く先とは…。
ボクも結婚失敗してますからなんとなくわかるけど、
でも、嘘で保てる幸せなら、そんな幸せは絶対いらないって。
「嘘も方便」。わかりますョ。
でも、枝葉ならまだしも、根っこの部分が嘘だったら、その木は腐りますから。
クリス・クーパー、ピアース・ブロスナン、パトリシア・クラークソンら、
一流どころが出演している作品。
見る人の心に波風立てるという意味ではもちろん面白い作品でしょうが、
ボクはイライラしてしまいました(-_-;)。
ねっ、見解が個人的過ぎるでしょ(笑)。☆2つ。
「あぁ、結婚生活」公式サイト

「おくりびと」は、納棺師の仕事を描いた、本木雅弘主演作。
東京でチェロ奏者としてなんとか食い繋いできた大悟。
ところが楽団の解散もあり、音楽家としての自分にピリオドを打ち、
妻の美香と一緒に、生まれ故郷の山形に帰ります。
故郷とは言っても、母を早くに亡くし、父も30年以上前に失踪。
なんとか仕事を探さなくちゃと新聞の求人欄に目を凝らす大悟。
そんな彼の目止まったひとつの求人広告。
「旅のお手伝い」。
旅行代理店かと思って向かった事務所には、何故か棺桶が立て掛けてある。
おかしいなぁと思いつつも、高額の給料を提示され、
今日の分と日当を手渡された大悟は断り切れずに就職を決めてしまうのです。
「あ、“旅のお手伝い”。これ間違えてるなぁ。
 “安らかな旅立ちのお手伝い”だ」。
そう、ここは亡くなった人を棺に納める、納棺師の会社だったのです。
妻の美香には冠婚葬祭の仕事と言っておいたのですが、
それもすぐにバレてしまう。
「汚らわしいっ」。と罵られ、実家に帰ってしまう美香。
でも仕事をしながら大悟は、人生の在り様を、
そして納棺師の意義を学んでいくのでした…。
出て行ったあとにわかった美香の妊娠、
幼なじみのお母さんの死、そして行方知れずだった父の死。
美香も間近で大悟の仕事を見る機会があり、先入観を覆していきます。
生も死も、本当に身近に存在するんだということ。
大人になるにつれ、これってみんな実感することですよね。
敢えて積極的に知ろうとはしない世界の物語。
でも誰かがやってくれているんですって。
モントリオール映画祭で、この「おくりびと」がグランプリを獲得しました。
日本の文化、伝統が海外で評価されるって、素敵なことだと思いません?☆4つ。
「おくりびと」公式サイト

「フライングラビッツ」は、実在のバスケットボールチーム
『JALラビッツ』をモデルにした青春スポーツ映画。
小さい頃からの夢だったCA(キャビンアテンダント)になるため
JALに入社した早瀬ゆかり。
同姓同名が2人いたため、間違えてバスケット部の寮に入ることになったゆかりでしたが、
監督は彼女の素質を見抜くんですね。
「バスケットなんてやったことないのに」。
戸惑いつつ、迷惑を掛けつつ、それでも練習に励むゆかりには唯一の強みがありました。
それは父から習っていた合気道の極意。
そうはいっても、バスケばかりに熱中もしていられない。
CAの仕事もあるし、学生時代から付き合っていた彼とは突然遠距離恋愛になるしで、
ゆかりの生活はてんてこまい。
果たして新米CAの明日やいかに…。
フィクションですから、初心者が社会人リーグのバスケット部に入って
選手として活躍できるようになるというのはまだ許しましょう。
でも、体をボロボロにして引退を決意した先輩に、
自分の仕事も投げ出すような責任感の無いゆかりが
偉そうに物言いをするシーンが我慢ならんのです(-_-;)。
おまえ、絶対にダメだろっ。そんなこと言えないだろっ。
本当なら☆1つにしたいぐらいでしたが、
主役の石原さとみがあまりにカワイイので、え〜い仕方ない、☆2つ(笑)。
「フライングラビッツ」公式サイト

「フロンティア」は、フランスのサイコホラー。
大統領選挙で保守派と極右勢力が激しく対立。
各地で暴動が起きるフランスの混乱に乗じて、移民系の若者5人が強盗を計画。
ところが失敗に終わり、警察に追われることになります。
「いくつかに分かれてオランダに逃げよう」。
車を走らせる途中に1軒の安宿がありました。
一息つけると安堵の息を漏らした彼らでしたが、
実はとんでもない場所に足を踏み入れてしまったのです。
そこはナチスの狂信的信奉者とその子供たちが営む、殺人ホテルだったのです…。
リュック・ベッソン一派のザビィエ・ジャンのメガホン。
“ハードコア・サバイバル・ムービー”とキャッチコピーが付いていて、
好きな人にはたまらないはずのコアな世界。結構行き切っちゃってます。
あまりにすごいのでボクはちょっと…。ごめんなさい。☆2つ。
「フロンティア」公式サイト

「ヨコヅナマドンナ」は、韓国の一風変わった青春コメディー。
ドングはポッチャリ体型の男子高校生。でも心の中は女の子。
机の引き出しにはメイク用具がいっぱい。
いつか憧れのあのマドンナのようになるんだと、
肉体労働のアルバイトをしては性転換手術用の費用を貯めているんですね。
父は元ボクサーだけど、今は酒浸りの日々。
母はそんな父に愛想を尽かし、家を出て行ったっきり。
そんなある日のこと、ドングは500万ウォンの奨学金が出るという
韓国相撲シルムの高校生大会の存在を知ります。
バイトで培った筋力には自信のあったドングは、高校のシルム部の門を叩くのでした…。
ポッチャリ系の10代オカマちゃん物語。
ドングが思いを寄せる日本語教師になんと草薙剛!
一瞬試写室がどよめきました(笑)。
なんかドングがいじらしくって。
韓国は儒教の国だから親子関係は厳しいんだろうけど、
あんなクソ親父の暴力にもじっと我慢してさ(T_T)。
頑張れって応援したくなります。
でも芯の強さはそんな逆境が作ってくれたのかもしれないなぁ。
そう考えると、それもまた必然?
自分の人生に照らし合わせてみたら何か見つかるかも?☆3つ。
「ヨコヅナマドンナ」公式サイト

 
 


 
 
 週末公開の映画……2008.9.7

「イントゥ・ザ・ワイルド」☆☆☆☆
「グーグーだって猫である」☆☆☆☆
「幸せの1ページ」☆☆☆
「シャカリキ」☆☆
「シャッター」☆☆
「ストリート・レーサー」☆☆☆
「LOOK」☆☆☆

今回☆は相対的に付けました。
本当はみんな☆3つでよかったかなぁって感じ(笑)。
でも3.5コと2.5コの差をつけたくてあえて星の数を変えてみた次第です。
でも言えるのはどれもすごく個性的だということ。
あなた自身で感じてみて下さい!
さ、今週は7本です。

「イントゥザワイルド」は、ショーン・ペンの監督最新作。
22歳のクリスは、エリート一家に育ち、親の期待を一身に背負った若者。
それを裏切るまいと優秀な成績で大学を卒業します。
しかし、彼が両親の期待に添うようにと頑張ったのはここまで。
卒業後は黙って家を飛び出し、ひとりアラスカを目指すんですね。
途中、知り合う人々との触れ合いを通じて、
彼は様々なことを体験し、学びます。
それでも目指すは“北の荒野”。
彼が探しているものとは一体何だったのでしょうか…。
92年の夏、アラスカの荒野でひとりの若者の遺体が見つかります。
マスコミがこのことを大々的に報じたのには理由がありました。
それは、恵まれた環境に育ちながら、なぜこんな場所で
こんなふうに命を落としたのかが、あまりにも“謎”だったから。
この事件を取材し、それを解き明かしたノンフィクション小説が「荒野へ」。
そのベストセラーの映画化が「イントゥ・ザ・ワイルド」なんです。
誰もが一度は考える人生の意味。
自ら命を絶とうとは思っていなかったクリスに何があったのか?
クリスは命と引き換えに、何かを見つけることができたのか?
答えは映画の最後にわかります。
ボクはそんなこと改めて言われなくたって知ってましたよーだ(笑)。
ま、22歳じゃ、わからなかったな。
ただひとつ、クリスの行動力には拍手です。☆4つ。
「イントゥザワイルド」公式サイト

「グーグーだって猫である」は、
少女漫画家・大島弓子の自伝的エッセイ漫画の映画化。
人気漫画家の小島麻子。
今日も4人のアシスタントと締切りに追われてました。
いつものように多忙な仕事場を覗き込む愛猫のサバ。
その時、サバはこう呟いたのです。
「さようなら」。
徹夜で原稿を上げ、麻子はサバに声を掛けます。
「さ、ごはんにしよ」。
ところがサバは冷たく、動かなくなっていたのです。
サバを亡くした悲しみから漫画も描けなくなった麻子。
アシスタントは心配でたまりません。
そんなある日、麻子はペットショップで
一匹のアメリカンショートヘアーの子猫と出会います。
「名前はグーグーとします」。
麻子とアシスタントとグーグーの新たな生活が始まりました。
元気を取り戻した麻子。恋を予感させる出会いもあり、
公私共に順調な生活に戻るのですが、
アシスタントのナオミの元に麻子がやってきて、
「しばらくグーグーの面倒を見てくれないかしら」と言うんですね。
「どうしたんですか?」と聞くと、
麻子の口から耳を疑うような言葉が返ってきたのです。
「入院しないといけないの。卵巣ガンだって」…。
ペットはまず飼い主より先にこの世を去りますからね。
でも人間にだって寿命はある。
命の大切さを、まるで何も考えてないかのように丸まってる猫を通して描いた1本。
「普通に生活していることがこんなに幸せなんだ」と教えてくれた気がします。
麻子に小泉今日子、アシスタントに上野樹里と森三中の3人。
“吉祥寺の映画”と言ってもいいぐらいいっぱい吉祥寺の日常風景が出てきます。
ほわんとした気分にさせてくれるいい映画。どれくらいいいかって、
森三中がかわいく見えちゃうぐらいかな(笑)。☆4つ。
「グーグーだって猫である」公式サイト

「幸せの1ページ」は、ジョディ・フォスター主演作。
海洋生物学者のジャックとニムは南の無人島に暮らす父と娘。
このふたり以外、誰も上陸したことのない島で暮らすニムにとって、
唯一の楽しみは、定期便が運んでくる大好きな冒険小説を読むことでした。
主人公のアレックス・ローバーは無敵のヒーロー。まさにニムの憧れ。
その小説の作者はサンフランシスコに住む、
女流作家のアレクサンドラ・ローバー。
ところが彼女、極度の潔癖症で外出恐怖症。
郵便を取りにポストに行くのすら怖い。
そんな彼女がネタに詰まってネットを見ていたところ、ジャックのことを知るんですね。
火山について教えてもらおうとメールを送るアレクサンドラ。
そのパソコンを開いたのはニムでした。
なぜならジャックは新種のプランクトンを探しに海に出て行ったから。
ニムは大興奮!だって大好きなヒーローからのメールだもの。
アレクサンドラもニムをジャックの助手と勘違いして
メールのやり取りが始まるんですね。でも何かが違う。
すると海が荒れ始め、予定の日になってもジャックは帰ってこない。
ニムはアレクサンドラに助けを求めます。
ニムが実はまだ幼い少女だと知ったアレクサンドラは一大決心。
遠い南の無人島まで、ニムを助けに行こうと決めたのです。
この何年、家さえ出たことがないというのに、果たして大丈夫なのでしょうか…。
ジョディ・フォスターだから、タイトルからして
女流作家と読者かなんかとの恋物語かなと思ったらさにあらず。
コメディーでした。ビックリ!
ある意味、冒険のお話ですから子供向けの感じでしたが、
その一方でジョディと同世代の女性たちに、
「運命なんて自分で変えられる。踏み出す一歩こそが大切」
とメッセージを送っているようです。
間違いなくジョディにとっては新境地を開拓。
メグ・ライアンでもいいような役どころだしね(笑)。☆3つ。
「幸せの1ページ」公式サイト

「シャカリキ」は、スポ魂青春映画。
転勤生活で友達ができなかったテルにとって、自転車は唯一の仲間。
山のてっぺんはオレのものと、坂道を漕がしたら天下一品。
そんなテルが高校生になって、亀ケ丘高校にやってくるんですね。
そこには廃部になりかけの自転車部がありました。
通学バスを自転車で追い抜いていくテルを見て、
こいつはすごいと目をつけられ、スカウトされるテル。
ところがチームワークで走る自転車ロードレースにとって、
テルの性格はあまりにも自分勝手過ぎたのです。
それでも鳳皇高校のユタというライバルと出会ってからは、
本気で自転車に取り組むようになります。
シャカリキになって頑張る亀校自転車部。
果たして部の存続は叶うのでしょうか…。
ルールを説明しながら映画は進むので、
自転車競技自体は少しずつわかっていきます。
チームワークと自己犠牲のスポーツなんですね。
なんて、あまりわかってなくても
いくらなんでもそりゃ絶対無理でしょうってところがあって、
そこがちょっぴり残念だったかなぁ。
フィクションだと割り切れなくて。ごめんなさい。☆2つ。
「シャカリキ」公式サイト

「シャッター」は、ハリウッドのホラー映画。
カメラマンのベンとジェーンは新婚夫婦。
仕事とハネムーンを兼ねてやってきた日本。
ところがいきなり車の運転で事故を起こしてしまうんですね。
「白い服の女性を避けようとして」。
ところがそんな女性はいなかったのです。
ベンがクライアントに依頼された撮影を終え、暗室で現像をしてみると、
すべての写真に白いものが写っている。
「おかしいなぁ」。
おかしかったのは写真だけではありません。日本に来てからというもの、
ベンは首が、頭が、重く、痛くなっていたのです…。
奥菜恵のハリウッド進出作としても話題のホラー作品。監督は落合正幸。
悪魔がホラーの主役たるアメリカだと、
こういう情念の世界というのは新鮮に映るのかもしれないけど、
ボクら日本人には少々斬新さに欠けるかも。☆2つ。
「シャッター」公式サイト

「ストリート・レーサー」は、ロシアのカー・アクションもの。
ロシアの戦車部隊を無事除隊となったステパンは、
父親の経営する自動車整備工場で働き始めるんですが、
サンクトペテルブルグで行なわれる賭けレース、“ストリート・レース”を知り、
そこでドッカーという男と出会います。
ドッカーから借りた車でレースに出るステパン。
ところがこの車で事故を起こしてしまうんですね。
ドッカーに大きな借りを作ってしまったステパンでしたが、実はこれはドッカーの罠。
ドッカーにはもうひとつの裏の顔がありました。
それは高級外国車盗難グループのリーダーだったのです。
こうしてステパンも犯罪の片棒を担がされることになるんですが、
そこに弟や恋人が絡んでくる。
ドッカーの後ろにはさらなる大物の影がチラホラ見えたりもする。
ステパンは犯罪組織から抜けることができるのでしょうか…。
面白いのは、アメリカのカー・アクションものと違って、車が地味(笑)。
なんたって日本車大活躍ですから。スバルのインプレッサなんて渋いでしょ?
ボクらにとっては身近に感じられるかも。
でもギャグはさすがにロシア。“極寒の地”だけに寒かったです(笑)。☆3つ。
「ストリート・レーサー」公式サイト

「LOOK」は、監視カメラの映像が主役の映画。
アメリカではテロ対策として、全国に3000万台以上の監視カメラがあるんだそう。
アメリカ人はひとり当たり1日平均200回以上、
どこかの監視カメラに映っているのだとか。プライバシーはどこへ?
この映画はオムニバス形式で監視カメラの映像を紡いでいきます。
強盗、殺人、幼児誘拐、セクハラ、不倫、淫行、同性愛、交通事故などなど。
ひとつひとつ掘り下げていく中で、
やっぱり病んだアメリカというものが見えてくる気がしました。
もちろんフィクションなんですけど、
ノンフィクションだと思い込んで見ると面白いかも?
あ、あなたも見られてますよ。☆3つ。
「LOOK」公式サイト

 
 


 
 
 週末公開の映画……2008.8.28

「コッポラの胡蝶の夢」☆☆☆
「パンダフルライフ」☆☆☆

9月になると専門学校の授業が再開。
試写に行くチャンスが減ってしまいます。
1本1本、大切に見ないとねっ。
さ、今週は2本です!

「コッポラの胡蝶の夢」は、
フランシス・F・コッポラの10年振りとなる監督、脚本作品。
1930年代末のルーマニア。
年老いた言語学者のドミニクには、
最愛の女性だったラウラを捨ててまで進めたかった研究がありました。
ところがそれをもまっとうできず、
彼は死を決意して見知らぬ駅に降り立ちます。
すると突然の落雷がドミニクを襲うんですね。
気が付くと病院のベッドの上。
奇跡的に一命を取り留めたドミニクでしたが、驚異的な回復を見せ、
さらには驚くことにどんどんと若返って行くではありませんか。
見た目は30代に。知的能力も向上していきました。
落雷による電気ショックが肉体に何かを起こしたのか?
ドミニクの存在はヒトラーの知るところとなり、ナチスの尾行が始まります。
そこで彼は別の人間になりすまし、
ナチスの目を盗むように幾度となく亡命を繰り返すんですね。
そんなある日のこと、スイスの山奥で、
最愛の恋人だったラウラに瓜二つの女性と出会うのでした…。
と、書いてもあんまり本質的な面白さは伝わらないでしょうね。
「地獄の黙示録」や「ゴッドファーザー」の監督が描く
“知的ミステリー”とでも言いましょうか。
原作は著名な宗教学者の小説だそうで、宗教観はもちろん、
数多くの古代言語、時間軸のとらえ方などが結構複雑に描かれてはいるのですが、
そこはさすがに巨匠。
見ている方にはわかりやすく、スクリーンに釘付けになります。
派手な作品ではありませんが、大人が楽しめる映画って感じ。
興味のある方は是非!☆3つ。
「コッポラの胡蝶の夢」公式サイト

「パンダフルライフ」は、パンダのドキュメンタリー。
日本の和歌山県南紀白浜にあるアドベンチャーワールドと、
中国の成都にあるパンダ繁育研究基地。
このふたつの施設は互いに“パンダ交流”があるんですね。
アドベンチャーワールドでは、中国以外では異例の、
6頭ものパンダを飼育しています。
生ませて、育てて、里帰り。
そしてまた中国から新しいパンダがやってくる。
そんな繁殖交流なんです。
人間の森林伐採により、絶滅の危機にあるパンダ。
その生態や誕生の歴史についても勉強できる映画です。
遠い昔、パンダは肉食獣だったんですって。
目だけ見ると確かに怖いのはその頃の名残かもしれません(笑)。
そんなパンダも笹を食べるようになってからはホントかわいい!
コロコロ転がるのも好きみたい。
見ていて思わず顔がほころんでしまいます(*^_^*)。
ナレーションは管野美穂。
眠くなったら寝ちゃっていいんじゃない?って感じの癒しの映画です!
☆3つ。
「パンダフルライフ」公式サイト

 
 


 
 
 週末公開の映画……2008.8.21

「言えない秘密」☆☆☆☆
「SEX AND THE CITY」☆☆☆☆
「小さな赤い花」☆☆☆
「R246 STORY」☆☆☆

お盆休みも終わり、帰省などで遠出していた方、
今週末あたりは近場で過ごしたいでしょうね。
そんな時に映画はピッタリ!今週も個性的な作品が揃いましたョ。
それではご紹介しましょう。今週は4本です!

「言えない秘密」は、台湾映画。
音楽学校に転校してきた男子生徒のシャンルン。
古い校舎のピアノ室から聞こえてきた幻想的な旋律。
覗いてみると、そこにいたのはシャオユーという女子生徒でした。
音楽を通して、互いに魅かれ合うふたり。
帰り道を自転車で送るなどして、その仲はどんどんと深まっていきます。
ところがシャオユーには重い喘息の持病があり、
学校も休みがちだったんですね。
久々にシャオユーが学校にやってきた時、
ふたりはピアノ室で待ち合わせるのですが、
シャンルンに恋心を抱くクラスメイトのチンイーがやってきて
シャンルンにキスをしてしまいます。
それを目撃したシャオユーはショックで学校を飛び出して行ってしまうのです。
それからまったく学校に来なくなったシャオユー。
心配になったシャンルンは、シャオユーの家を訪ねます。
そこでシャンルンは衝撃の事実を知ることになるのです…。
最初はいわゆる“お腹いっぱい”の悲恋ものかなと思ったんですが(笑)、
いやいや全然違ったのでビックリ。ホラー?SF?
さまざまエッセンスを織り混ぜ、いい意味で期待を裏切ってくれる恋愛物語。
台湾の人気No.1俳優のジェイ・チョウがシャンルン役を演じているんですが、
実は彼が監督、脚本、音楽も手掛けているんですね。
ピアノを弾くシーンでは見事な演奏を聞かせるなど多彩な才能を披露しています。
以前、日記に書いた「恋してぇ〜!」の映画はこれ(笑)。
互いの気持ちはわかってるのに、何となく探り合うふたり。
でもその恋愛の初期衝動がピークに達した時に、
シャオユーはシャンルンのホッペにチュッとして走って行く。
たまらなく恋してぇ〜!でした(笑)。
よくできてましたョ。☆4つ。
「言えない秘密」公式サイト

「SEX AND THE CITY」は、
アメリカの超人気TVドラマの映画化。
主人公は4人の女性。
キャリーはフリーのライターで、女性のSEXと恋愛を描いたコラム
「SEX AND THE CITY」が大ヒット。
本にもなり、今ではVogueにコラムを書くほどの人気ライターに。
数々の恋愛を経て、今は年上のジェントルマン、ミスター・ビッグと恋愛中。
サマンサは広告代理店を営むヤリ手の女社長。
とにかくパワフルで恋愛の方も自由奔放。
しかし、乳がんがわかった時に優しく支えてくれた
年下の俳優スミスと交際を始めてからは少々落ち着いた感もあり。
シャーロットは恋に恋するタイプのお嬢様。
一度離婚を経験し、二度目の結婚相手はお世辞にも
ハンサムとは言えないけど真摯なユダヤ人弁護士。
不妊に悩むも、中国から養女を取ってお母さんに。
今では安定した結婚生活を送っています。職業はアートディーラー。
そして最後に、ミランダ。
地に足のついた女性弁護士で、夫スティーブとの間に男の子がひとり。
義理の母がアルツハイマーを患っているのですが、献身的に世話をする彼女。
妻として、母として、仕事に、介護に、いっぱいいっぱいの生活。
ストレスもかなり溜まっています。
この4人は以前からの親友。
ミスター・ビッグとそろそろ結婚したいと願っていたキャリーが
思い切ってそのことを切り出すと、彼はあっさりとOK。
それを知らされたシャーロットは自分のことのように大喜び。
サマンサとミランダに連絡をして、みんなで久々の再会を果たします。
でもそう簡単に行かないのが結婚。
いろんなすれ違いが起こり、なんとご破算になってしまいます。
サマンサも年下の恋人のことを考えると本当にこれでいいのかと悩み、
ストレスいっぱいのミランダは夫の浮気が発覚。
果たして、この4人の女性たちを待つのは一体どんな未来なのでしょうか…。
98〜04年まで放映され、毎年のように賞を総嘗めにした大人気TVドラマの
まさに待望の映画化とあって、
アメリカでは「インディージョーンズ」を押さえ、堂々の初登場第一位となりました。
ロケ地巡りツアーなども大盛況だそうですから、その人気の高さは推して知るべし?
登場する4人の女性は個性的でありながら、
どこかに見る側が自己投影できる隙のあるキャラ設定。
そんな彼女たちがオシャレにカッコよく、でも人間臭く悩むから、
まるでファッショナブルに変身した自分目線で見ることができる。
それがヒットの要因じゃないかと思います。
男性は女性心理を学ぶいい教科書になるかも知れませんョ。☆4つ。
「SEX AND THE CITY」公式サイト

「小さな赤い花」は、中国映画。
チアンは4歳の男の子。
父親の仕事の関係で全寮制の幼稚園に預けられるんですね。
規律の厳しいその幼稚園では、
誉められると赤い花がもらえて、叱られると没収される。
それが壁にグラフのように貼られているのです。
最初は赤い花をもらおうと頑張っていたチアンでしたが、
幼心にだんだん違うんじゃないかと考えになっていくんですね。
先生に反抗し、友達さえもいなくなったチアンは幼稚園を飛び出すのですが…。
中国ですから、全体主義というか、みんなと同じであることが称賛される。
でもそれは違うんじゃないかというのを、
ある意味、ピュアな4歳児の視点を通して訴えた作品。
北京オリンピックで様々な素顔が見え隠れする中国。
あの開会式も偽装?演出?で意見が割れました。
そんな中国に興味を抱いたら、こんな映画もあるのかと、
劇場に足を運んでみて下さい。
きっちり批判的に結論づけられないがゆえに、
ラストは若干食い足りない気もしますが、それは仕方ないかな。☆3つ。
「小さな赤い花」公式サイト

「R246 STORY」は、6名の監督による6本のオムニバス作品。
その監督は、中村獅堂、須藤元気、m-floのVERBAL、
RIP SLYMEのILMARI、浅野忠信、そしてユースケ・サンタマリア。
役者、ミュージシャンから格闘家まで幅広い人材が集まりました。
短編集ですから、どうしても本人のやりたいことが全面に出てき過ぎて、
ポピュラリティの欠如という事態になりやすいのですが、
この映画もちょっとそんなところがあったかも。
それぞれのファンにはそれでいいのかも知れませんが。
個人的にはVERBALの、日本のヒップホップの明日を考える
「DeadNoise」は好きでしたね。
インタビュー中心のドキュメンタリーものだったからかも知れませんが、
個人的には興味深く見ることができました。
ILMARIの「CLUB246」もきちんとストーリーがあってまずまず。
あとは正直よくわかりませんでした(笑)。
監督さん、ファンのみなさん、ごめんなさい。
“R246”は青山や表参道を通る、国道246号線のこと。
でもなんとなく、そんな都会の匂いはちゃんとしてました。
そこを評価して☆3つ。
「R246 STORY」公式サイト

 
 


 
 
 週末公開の映画……2008.8.13

「同窓会」☆☆☆

部屋の掃除をさぼっていて、ある映画の試写状が山と積まれた紙資料の下から出てきました。
既に最終試写も終了…。見たかったのに。掃除しなきゃ(笑)。
さ、今週は1本です!

「同窓会」は、夫婦のリセット物語。
映画制作会社社長の克之には、雪という妻がいました。
雪は高校時代の同級生。克之の初恋の相手でした。
ところが克之は女優のめぐみと不倫中。
雪との間に望んでいた子供もできないことから、
克之はめぐみとの生活を選び、雪との離婚を決意するんですね。
それを知って怒り心頭なのが地元・長崎に住む文太。
元番長の文太も雪に恋をし