『鹿の国』★★★★
(満点は★★★★★)
新年あけましておめでとうございます!
2024年は本の映画を観させて頂きました。例年と比べると、やや少なかったかなぁ。
それでも、何本かのいい作品に巡りあうことができました。
今年も、積極的に映画と向き合えればと思っています。このコラムも、引き続きのご愛読、よろしくお付き合い下さい。
さぁ、今週は1本です!
『鹿の国』は、信州・長野にある諏訪大社の御祭礼を追ったドキュメンタリー。
長野県諏訪市に在り、日本で最も古い神社のひとつとされる諏訪大社。
中世には75もあったという神事の中で、今でも謎に包まれたままの祭礼があります。それが“御室神事”です。
極寒の冬、御室と呼ばれる穴蔵の中で行われていた神事。学者と諏訪の人々が、その再現に挑みます。
その諏訪大社の祭礼の記録に、「鹿なくてハ御神事ハすへからす」という文言があるほど、諏訪大社と鹿との関係は深いよう。
4月の御頭祭では、神前にいくつもの鹿の生首が並び、猟師は鹿肉を献上します。
さらに、“鹿食免(かじきめん)”というお札があります。これは諏訪大社にしかないもので、獣肉を食べてもバチが当たらないというお札だそうです。
御室の中では、神様が大好きな歌や舞、豊作を祈る劇などが奉納され、大きな笑い声が上がります。それは、地上においても同様に、豊かで楽しい世界をもたらして下さいという祈り。そしてそれを、命が動き始める春に、御頭祭で改めて誓うのです。
鹿の角も、稲が伸び始める頃、同じように大きくなるといいます。自然の力を崇める諏訪の人々。その中心にあるのが、諏訪大社なんですね。
神々しくも、人の営みの根本を教えてくれるようなドキュメンタリー。もうひとつの初詣として、ご覧になってみてはいかがですか?★4つ。
『鹿の国』公式サイト
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